著者
中尾 美知子 Michiko NAKAO 岩手県立大学社会福祉学部
出版者
岩手県立大学社会福祉学部
雑誌
岩手県立大学社会福祉学部紀要 = Bulletin of the Faculty of Social Welfare, Iwate Prefectural University (ISSN:13448528)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.41-50, 2010-03-01

本稿は、韓国の流動する人口移動を概観し、国際結婚を具体事例として定着の実態と支援策を検証することを目的とする。送り出しと受け入れ両面から描き出した流動の様態からは、在外同胞の還流が特徴として浮かび上がった。他方、農村地帯の深部に日を転じれば、フィリピン、ベトナムからグァテマラに及ぶ10カ国以上の結婚移民者の暮らしが営まれる文字通りの「多文化社会」の現出を見出すことができる。これらの現状を踏まえて韓国政府は外国人政策の基本法「在韓外国人処遇基本法」を制定した。サービス伝達体系の中枢として「結婚移民者支援センター」が整備され、就労支援を始めとする定着支援が動き出している。

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