- 著者
-
中野 敬一
- 出版者
- 家屋害虫研究会
- 雑誌
- 家屋害虫 (ISSN:0912974X)
- 巻号頁・発行日
- vol.17, no.2, pp.131-138, 1995-12-01
- 参考文献数
- 19
1994年12月~1995年2月と1995年5~7月に,東京都内の地下鉄駅構内の排水溝において,昆虫と水生動物の生息の有無を確認した。その際,一部の排水の水温と水質を検査した。排水溝で生息を確認した昆虫は,セスジユスリカ幼虫,オオチョウバエ幼虫,ホシチョウバエ幼虫であり,水生動物は,サカマキガイ,ミズムシ,イトミミズであった。排水溝の周辺ではセスジュスリカ,オオチョウバエ,ホシチョウバエの各成虫とザトウムシが確認できた。水生動物が生息していた排水は,そうでない排水より有機物や窒素成分が多い傾向があった。排水溝で確認した昆虫と水生動物は,生物学的水質階級のα中腐水性から強腐水性に生息する種類であった。その侵入経路については都市河川や下水道が関係すると思われる。