著者
毛利 良一
出版者
日本福祉大学
雑誌
日本福祉大学経済論集 (ISSN:09156011)
巻号頁・発行日
no.36, pp.7-35, 2008-03

「食のグローバリゼーション」 を, 農水産物の生産・加工・流通・販売 (貿易を含む) のプロセスに, 多国籍アグリビジネスや食品・流通・サービス産業の資本が大規模に進出し, 資本による包摂が深化している過程として捉える. 人口大国の BRICs (ブラジル, ロシア, インド, 中国) の経済成長の加速化が始まり, 魚介類など食料資源やトウモロコシをめぐる穀物市場とエネルギー市場間の争奪戦が熾烈化し, さらに穀物市場にもヘッジファンドなど国際投機資本がかかわるようになる一方で, 遺伝子組み換え食品が生態系に与える影響や食品の安全性問題が重要課題となってきた.日本では食料自給率が低下し, 穀物・油脂・肉類はアメリカから多くを輸入しているが, 野菜や加工食品では中国に対する依存を強めている. とくに中国山東省は, 日本企業による開発輸入の基地となっている. また中国食品の安全性に関する中国での取り組みについても, 聞き取り調査を踏まえて実態分析を行う.

言及状況

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こんな論文どうですか? 食のグローバリゼーションと日本の中国からの開発輸入--中国・山東省における聞き取り調査を踏まえて(毛利 良一),2008 https://t.co/rCmXIyyrtI 「食のグローバリゼーション」 を, 農水産物の生産・加…

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