- 著者
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佐藤 洋行
- 出版者
- 一般社団法人 プロジェクトマネジメント学会
- 雑誌
- プロジェクトマネジメント学会誌 (ISSN:1345031X)
- 巻号頁・発行日
- vol.12, no.4, pp.9-13, 2010
プロジェクトが失敗する要因の一つとして,問題が本番稼働直前で発覚し,その対応が間に合わず大きな事故になってしまうといったことが多々見受けられる.問題の顕在化が遅れることは,問題解決のための時間が少なくなるだけでなく,プロジェクト全体に大きな影響を与えてしまう可能性が高く,問題を早期に検出することはプロジェクト成功のために非常に重要なことだと考える.「なぜもっと早い段階で問題を検出できなかったのか」,プロジェクト完了時の反省として議論することが多いが,いまだ効果的な対処策を見い出せていないと感じる.通常,プロジェクトメンバとの各種会議で進捗状況や懸案の確認を行っているが,担当者の認識の甘さからPM(またはPL)への報告漏れがあったり,またミスが原因の場合などでは叱責を受けることを恐れて無意識に報告がおろそかになるなど,必ずしもPM(またはPL)に正しく状況が伝わらない,といった現状があると考える.そこで,日頃の進捗確認方法に何かしらの問題があるのではないかと考え,より早期に,かつ適確に問題を顕在化するための手段を検討し,実際に試行を行った上でその手段の有効性について検証する.