著者
小山 昌宏
出版者
情報文化学会
雑誌
情報文化学会誌 (ISSN:13406531)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.19-27, 2010-09-07

はじめに,サイバースペースの二つの型,すなわち「疑似型現実」空間と「拡張型現実」空間の概念について考察をおこなう。次に「疑似型現実」空間を構成するインターネットに対する相反する二つの見解,その理論的対立の要因について検討を加える。この考察を踏まえて,人間と自然の対立に代表される認識上の二項対立の限界,すなわち主体と客体の新しい関係性について基礎付けをおこなう。それは,情報化社会における近代理性主体が,「情報的主体」,「情報間主体」に転換する際に発生する新しい「知の枠組み」の可能性について検討するものとなる。

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