著者
郷 晃
出版者
環境芸術学会
雑誌
環境芸術 : 環境芸術学会論文集
巻号頁・発行日
no.3, pp.13-16, 2003-10-22

近年"回廊"というテーマで石材を主とした彫刻表現の制作を行って来ている。これらは、純粋な表現制作の発表である。本稿では、もっとも最近に行った個展における発表までの流れの中で石材という素材を扱う意味と、過去に手がけた環境造形の制作と彫刻表現の制作発表との関係について述べたものである。2)"素材と内包されるもの"においては、制作を通して見出してきた素材の持つ特性や意味が表現につながる制作概念について述べて行く。3)"時間の回廊"においては、1999年に手がけたモニュメントプロジェクトについて、制作のヒントとなった物証と私的な彫刻表現との関係に付いて述べて行く。4)"回廊....記憶の水脈"においては、2002年秋におこなった個展について、表現の拠り所となったものを述べて行く。こうした制作の流れを振り返ることによって彫刻の制作発表と公共性という条件の中で成立する環境造形の2つに対する考え方とその関係性を述べるとともに、これを以て自身の制作研究報告としたい。

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