著者
吉村 裕美 中河 督裕
出版者
佛教大学
雑誌
佛教大学総合研究所紀要 (ISSN:13405942)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.1, pp.253-274, 2008-12-25

日本の国語教科書に採用されている「三年峠(三年とうげ)」は、韓国(朝鮮)理解の教材として位置づけられていることは、広く知られている。本稿は、この「三年峠」が日本の植民地時代に朝鮮総督府編纂の朝鮮語教科書に使用された経緯とその歴史的意味について考察したものである。もっとも、本稿の意図は安直に過去と現在とを直結させて、「三年峠」が「いわくつきの」テクストだと言いたいのではない。むしろ、教材が時代の要請をどのように反映してきたのかについて理解し、日本と朝鮮の近代が抱えた矛盾をじっくり考えさせるテクストとしての可能性を模索するところに主たる意図がある。

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