著者
吉村 裕美 中河 督裕
出版者
佛教大学
雑誌
佛教大学総合研究所紀要 (ISSN:13405942)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.1, pp.253-274, 2008-12-25

日本の国語教科書に採用されている「三年峠(三年とうげ)」は、韓国(朝鮮)理解の教材として位置づけられていることは、広く知られている。本稿は、この「三年峠」が日本の植民地時代に朝鮮総督府編纂の朝鮮語教科書に使用された経緯とその歴史的意味について考察したものである。もっとも、本稿の意図は安直に過去と現在とを直結させて、「三年峠」が「いわくつきの」テクストだと言いたいのではない。むしろ、教材が時代の要請をどのように反映してきたのかについて理解し、日本と朝鮮の近代が抱えた矛盾をじっくり考えさせるテクストとしての可能性を模索するところに主たる意図がある。
著者
工藤 眞由美 金田 章宏 狩俣 繁久 木部 暢子 佐藤 里美 山東 功 林 明子 吉村 裕美 吉村 裕美 三ツ井 崇
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究では、国際的にも大いに多様化の進んでいる日本語のバリエーションの問題について、言語類型論(Language Typology)、言語接触論(Contact linguistics)の立場から包括的に考察を試みた。具体的には、格やとりたて構造に関する言語項目調査について、諸方言に適用できる「統一した調査票」の改善についての検討を行った。また、ボリビア共和国サンタクルス県オキナワ移住地を対象とする言語的日常実践を描くエスノグラフィー的研究や、ドイツをフィールドワークとする、言語接触論的観点からの在外駐在日本人の言語生活調査を実施した。