著者
須永剛司
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.9, pp.1-1, 2010-10-22

異分野が共同でおこなう研究プロジェクトにおいて、異なる研究分野の連携を生みだすことは難しい。異なる思考の立脚点や行為の文脈を会議室で議論し、どれほど言葉を積み上げてみても、そこに違いが見えてくるだけだ。連携を生み出すために大事なことは、そこに集まった研究者が共に働くことのできる 「実践」 の場に研究を組み入れることである。実践とは、社会でおこなわれている人々の文化的な営みである。そこへ入っていくことは簡単ではない。それぞれの研究が人々の生活する世界と対照され、本物の活動の中で吟味されるからだ。しかし、そこには重要な収穫物がある。研究が社会に吟味される状況におかれた時、自分たちとは異なる専門をもつ研究分野がとても頼りになる。共同する相手分野の価値が見えてくる。なぜなら研究分野が二つ三つ協力しなければ、そもそも分化せずに総合している社会実践に対応できないからだ。会議室では呑み込めなかったことが、すーっと腑に落ち、相手分野の知や技と関わり合う意味とやり方がわかってくる。そして、異なる専門をもつ研究者たちが協働してみようと思う人間に 「なってくる」。文系・理系・美系の分野が、社会実践での連携をとおして相手の分野を知り、ゆっくりと共同を始める姿を、著者ら美系分野の視点から紹介する。

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[from twitter] 文系・理系・美系の分野が共同を始める姿 http://t.co/cqeqdovj 異分野が共同でおこなう研究プロジェクトにおいて、異なる研究分野の連携を生みだすことは難しい。連携を生み出すために大事なことは、そこに集まった研究者が共に働くことのできる 「実践」 の場

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文系・理系・美系の分野が共同を始める姿 http://t.co/cqeqdovj 異分野が共同でおこなう研究プロジェクトにおいて、異なる研究分野の連携を生みだすことは難しい。連携を生み出すために大事なことは、そこに集まった研究者が共に働くことのできる 「実践」 の場

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