著者
首藤 伸夫
出版者
日本海洋学会
雑誌
沿岸海洋研究 (ISSN:13422758)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.147-157, 1998-02-25
被引用文献数
1

最近,数値計算が発達したため,津波の事は全て判ったとの誤解が生じているようである.しかし,津波の実像を知る上で様々な難問題が残されている.まず,出発点である津波初期波形が一義的に決まらない.計算途上で不安定が起こり易く,また誤差の集積が結果の精度を落としかねない.計算結果の検証にあたっては,潮位記録にはフィルターがかかっている事,津波痕跡は往々にして大きい値のみが測定されており良い検証材料とは言えない場合もある事,等の問題がある.我が国の津波対策は,3つの方策を組み合わせて行われる.ハードな対策としての構造物,ソフトな対策としての防災体制,そして防災地域計画である.

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