著者
三島 康史 星加 章
出版者
日本海洋学会 沿岸海洋研究会
雑誌
沿岸海洋研究 (ISSN:13422758)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.145-150, 2002
被引用文献数
4

瀬戸内海(伊予灘,大阪湾)で採取された魚類のδ^<13>C,δ^<15>N値を測定した.特に,伊予灘で採取されたマダイ(Chrysophrys major)のδ^<13>C・δ^<15>N値からマダイの体内での炭素・窒素のターンオーバータイムを評価した.また,大阪湾および伊予灘で採取された魚類のδ^<13>C,δ^<15>N値から見た特徴について議論を行った.1995年9月11日に放流したマダイのδ^<13>C,δ^<15>N値が,放流後約1ヶ月間で天然魚とほぼ同じ値となった.これらの結果から,マダイの体内での炭素・窒素のターンオーバータイムは,1ヶ月以内であると推測された.大阪湾で採取されたカタクチイワシ(Engraulis japonica)とマイワシ(Sardinops melanosticta)のδ^<13>C・δ^<15>N値は(マイワシ:δ^<13>C=-15.8‰,δ^<15>N=13.8‰,カタクチイワシ:δ^<13>C=-15.9‰,δ^<15>N=13.7‰)それぞれほとんど同じ値であったことから,同じ栄養段階であることが予想された.今回採取された魚類のδ^<13>C,δ^<15>N値から,魚類の栄養段階を推測するにはいたらなかった.今後,植物プランクトンの増殖速度による効果,漁業生産に及ぼす炭素源としての海草類および海藻類の重要性等,検討を行う必要がある.

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こんな論文どうですか? 瀬戸内海 の 伊予灘および大阪湾 で 採取され た魚類 の炭素 ・窒素 安定同位体比(三島 康史ほか),2002 https://t.co/loBH6agFW5 瀬戸内海(伊予灘,大阪湾)で採取された魚類のδ^<13>C,δ…

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