著者
草野 吉雅 中村 一尊 沖野 健太
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SR, ソフトウェア無線 : IEICE technical report (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.252, pp.135-140, 2010-10-20
参考文献数
11

本稿ではマクロセル内に小型低出力基地局を設置するLTE(Long Term Evolution)/LTF-Advanced HetNet(Heterogeneous Network)に適した置局戦略と運用技術を議論する.低送信電力によって基地局価格や電力消費量,基地局サイズを小さくできるため,小型低出力基地局を用いるとマクロ基地局と比べ柔軟かつ低コストでシステム・キャパシティを向上させられる.低出力に起因する小さいセル径のため,推奨される置極戦略は,小型小出力基地局をトラフィック需要の高いエリアに設置することと,送信電力を希望するカバレッジの広さに応じて定めることである.小さいセル径であっても小型低出力基地局設置による利得を増加させるには,CRE(Cell Range Expansion)とeICIC(enhanced Inter-Cell Interence Coordination)が鍵となる技術である.CREはユーザを受信電力が最大でない基地局にも接続できるようにし,マクロ基地局から小型低出力基地局への負荷分散を増やすことでシステム・キャパシティを向上させる.eICICはCREによって小型低出力基地局に接続するようになったユーザが受ける強い干渉を制御するための技術であり,LTE Release 10において標準化が行われている.本稿ではCREとeICICをLTEおよびLTE-Advancedに適用する際の指針とその性能利得を示す.

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