著者
緒方 妙子 宇野 亜紀
出版者
九州看護福祉大学
雑誌
九州看護福祉大学紀要 (ISSN:13447505)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.3-9, 2011-03

月経痛に対する悩みを抱える女子大学生は少なくない。そこで、先行研究を基盤として、女子学生の「月経の捉え方」と「月経痛及びセルフケア行動(月経時・日常生活)」との関連を明らかにすることを目的に、A大学の女子学生169名を対象に調査した。結果:1)月経の捉え方の質問Q1「月経は生理的現象と受け止めている」・Q2「月経が定期的にくると安心」では、ポジティブな回答が95.3%、91.7%であった。またQ3「月経は女性としての誇り」・Q5「月経がくるとゆううつ」では、ネガティブな捉え方が54.4%、68.0%であった。2)月経痛の程度との関連では、月経痛重度のAB群に、Q3・Q5・Q6「月経は否定的イメージ」で、有意にネガティブな捉え方が多かった。3)女性性の質問Q7「女性に生まれてよかった」・Q8「女性だけが子どもを産むのは不平等」を共にポジティブに捉えた者は72.2%であった。4)初経を否定的感情で受け止めた者の割合は、全体で43.2%であり、肯定的感情の者38.5%より多かった。否定的感情の者のうち、心の準備が「なかった」者は64.4%であった。初経時のお祝いをした者は47.3%であった。現在の月経の捉え方(Q3・Q4「月経はけがらわしい」・Q6)は、初経時の受け止め方と有意な関連が見られた。5)月経をポジティブに捉える者と、日常からセルフケア行動をとる者とは関連していなかったが、「月経をポジティブに捉える」者や、「日常生活から自覚的な体調管理を行う」者は、「月経痛が軽度である」に関連性が示唆された。

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