著者
中桐 謙一郎
出版者
太成学院大学
雑誌
太成学院大学紀要 (ISSN:13490966)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.225-232, 2011-03

抽象的な否定概念は具体的な空間概念における経験を基にして理解されている概念である。この二つの概念は「容器のメタファー」を基盤として理解されている。「内外」や「越境」などの概念によって捉えられる否定概念は,「ない」を用いた否定文によって主に存在論的に「Xがない」や認識論的に「Xではない」の二種類で表される。この二つの概念はそれぞれものの「存在」とものの「存在の仕方(=存(あ)り方)」に依存している。そのような概念化を可能にしている要因は「視覚」である。すなわち,「否定概念」は視覚という人間の五官による「身体的」な概念化を基盤としている。

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