- 著者
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角田 尚子
- 出版者
- 佛教大学
- 雑誌
- 佛教大学大学院紀要. 社会学研究科篇 (ISSN:18834000)
- 巻号頁・発行日
- vol.39, pp.19-36, 2011-03-01
日本ではまだ認知が低いベジタリアンであるが,何がベジタリアンの妨げになっているのか,その妨げが後のベジタリアンとしての成長にどのような影響を及ぼすかを考える。本稿では8人のベジタリアンにインタビュー調査を実施し,彼ら/彼女らへの近親者の干渉と,それに対するベジタリアンの反応や対応を読み取った。その結果,欧米のベジタリアンには見られない傾向があることが分った。それは近親者が日本的な食の常識に基づき善意の干渉をすることによって,ベジタリアン自身が食の常識に合わせてしまうという傾向である。また,近親者からの干渉が大きいほど「日本的ベジタリアン」として極めて狭い範囲の行動・活動しかできず,自身の望む食生活が送れないことが分った。他方,近親者からの干渉が少ないほど「欧米的ベジタリアン」として自身の望む食生活を送り,更にはベジタリアン活動を広めていこうとする動きがみられた。