- 著者
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山本 敬三
松澤 衛
- 出版者
- 北翔大学
- 雑誌
- 北翔大学生涯スポーツ学部研究紀要 (ISSN:18849563)
- 巻号頁・発行日
- vol.2, pp.1-10, 2011
本研究の目的は,1)スキージャンプのシミュレーション・テイクオフ動作をバイオメカニクス的に分析し,2)分析結果を基に力学的な観点からトレーニング方法を提案することである。動作分析では,3次元動作分析と床反力計測を行い,下肢3関節(股・膝・足関節)の力学的な動作戦略について分析した。被験者は女子スキージャンプ選手2名とし,実験室内において,シミュレーション・テイクオフ動作を課した。試技はフォースプレート上で行い,離床後は選手の前方に設置した緩衝用マットに着地させた。各選手5試技の動作を計測した。分析では,下肢3関節の屈伸方向の関節モーメント,重心位置,床反力作用点(COP)および床反力を算出し,項目間の相互関係について検討した。結果,動作の初期に足関節の底屈モーメントをゆるめることで,COP が後退する現象が観察された。重心の床面への投影点とCOP の位置をずらすことで,ジャンパーは前回りのモーメントを得ていた。また,動作の中盤から後半にかけて,下肢3関節の伸展および底屈モーメントを急激に増加させて,重心を上昇させ,フライト姿勢を形作ることが分かった。この分析結果を基に,力学的トレーニング方法を提案した。トレーニングの提案では,バランスWii ボードを活用した運動評価方法について述べ,上記の力学的戦略を行うにあたって,動作評価のできるトレーニングを提案した。