著者
山本 伸幸
出版者
林業経済学会
雑誌
林業経済研究 (ISSN:02851598)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.1-8, 2011-07-15
被引用文献数
1

フィンランドにおける森林所有者共同組織の,独立前後から現在までの形成過程に焦点を当て,同国の公私分担の有り様を探ることを目的とした。具体的には,日本の森林・林業再生プランの議論などで近年度々参照される森林管理組合(MHY)と,グローバル企業体である巨大森林協同組合メッツァリートグループという,性格の異なる2つの森林所有者共同組織の対比を議論の中心に据え,日本の森林組合論を手がかりに整理を試みた。その結果,1)森林管理組合については,公益性のある土地組合へと純化する傾向が近年の行財政改革の中であらためて問い直されていること,2)メッツァリートについては,森林所有者の組合としての拘束された資本の側面が,大規模林産企業としての機能資本の側面によって変容を迫られていることが明らかとなった。最後に,3)今回の議論が,日本の森林組合に関する公私分担の議論にも資することが示唆された。

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巨大森林協同組合メッツァリート

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