著者
本多 勇
出版者
国際医療福祉大学
雑誌
国際医療福祉大学紀要 (ISSN:13424661)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.13-23, 1998

「生活」は、言うまでもなく社会福祉の領域において重要かつ基本的なキーワードである。しかし、「生活」という概念は広範であり捉えにくい。「生活」概念についてはさまざまな学問領域から研究がされてきた。第2次世界大戦中や戦後は、おもに経済学において「生活」研究が展開された。高度成長期の時期には、おもに社会学において「生活」研究が展開された。他にも、家政学や法学など幅広い領域から「生活」研究が展開されている。本稿においては、5つの学問的領域における「生活」研究の成果を、代表的論者の議論を中心に概観している。すなわち、(1)経済学的・社会政策学的「生活」研究、(2)社会学的「生活」研究、(3)住居学的「生活」研究、(4)生活学的「生活」研究、(5)社会福祉学的「生活」研究である。それぞれの「生活」研究の論点や視座を検討したのち、「生活」を捉える枠組みとして、「生活」を「マクロ的視点の生活/客体的生活」と「ミクロ的視点の生活/主体的生活」として把握する議論を試論的に提示した。

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