著者
森田 耕喜
出版者
国際医療福祉大学
雑誌
国際医療福祉大学紀要 (ISSN:13424661)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.79-88, 1998-12-25

ハイデッガーの『存在と時間』における「死」の概念の分析が本稿の目的である。「存在の意味への問い」は「現存在」という自らの存在に自らの関わり得る特殊な存在者=人間存在によって遂行される。「世界-内-存在」とあり方で「世界」が「開示」されている「現存在」は、自ら発光する光源、事象が明るみに出される場、人間と「世界」との関係が照射される地平と言える。「世界」の開示性において、常に既にそこへと投げ込まれている「情態性」と、そこで開かれている「可能性」としての「了解」に基づいて、現在と未来という「時間」が浮上する。しかし、「現存在」は自らの様態を「気遣い」ながら、その本来的な可能性を回避し、「死」の「確実性」と不確定性を覆い隠して日常性に埋没し、「頽落」している。これに動揺を与えるのが「不安」であり、その対象は「世界-内-存在」そのものである。「現存在」の「存在」は「全体」として捉えられねばならないが、それは自らの終わりとして「全体」を完結させる極限としての「死」に関係する。「死」は「現存在」にとって「最も固有の、没交渉的で、追い越しえない可能性」としてある。
著者
福永 肇
出版者
国際医療福祉大学
雑誌
国際医療福祉大学紀要 (ISSN:13424661)
巻号頁・発行日
vol.10, no.3, pp.37-44, 2005
著者
片倉 知博 中山 幸 篠永 正道
出版者
国際医療福祉大学
雑誌
国際医療福祉大学紀要 (ISSN:13424661)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.41-44, 2007-07-31

交通事故などの外傷後に霧視,羞明,視野狭窄,複視,眩暈を訴える症例がある。近年,その原因の一つとして脳神経外科領域で脳脊髄液減少症が注目されるようになった。今回,脳脊髄液減少症に伴う視覚障害がブラッドパッチ治療により改善した1 例を経験したので報告する。症例は31 歳女性。頭部外傷後に起立性頭痛や霧視感,羞明,視野狭窄など多彩な症状を自覚。治療により霧視感の消失と近見視力の改善を認めた。脳脊髄液減少症の眼科的症状は自律神経の機能障害によって起きている可能性が示唆された。
著者
高他 武始 梅原 貞臣 野口 隆志 梅内 拓生
出版者
国際医療福祉大学
雑誌
国際医療福祉大学紀要 (ISSN:13424661)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.1-11, 2008-01-31

健康施策として一次予防を重視し,セルフメディケーション推進を通じて生活習慣病対策を進めようとする政府の考えのなかで,我々がキープレーヤーと考えるドラッグストア従事者が現在どのような意識で業務を遂行しているのか実態を把握し,どのように近隣住民の健康に寄与しているかを知る目的でアンケート調査を行った。その結果,現状では薬剤師・薬剤師以外の従事者とも近隣住民の健康への寄与に関する認識・実践に関し不十分な状況にあると考えられた。今後地域住民の生活習慣病対策を現実化していく健康管理システム構築のためには,ドラッグストア側の対応としてドラッグストア従事者における政府健康政策の理解と生活習慣病関連事項の知識習得,地域住民から信頼される身近な医療従事者としての意識の向上,さらに,改正薬事法施行による新たな薬の専門家(新資格者)の制度化を踏まえた従事者の時間的な余裕づくり,を念頭に入れ,ドラッグストアがセルフメディケーション推進の中心的な役割を果たしていく資質を確保していくことが必要と考えられた。
著者
齋藤 隆之
出版者
国際医療福祉大学
雑誌
国際医療福祉大学紀要 (ISSN:13424661)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.13-27, 2007

目的:社会福祉におけるニーズとは,要援護者の社会生活上望ましい状態と現状との乖離状態に対し,それを充足させるため必要とされるものと捉えられる。本研究は乖離状態にある脳性マヒ者の性生活に対し,当事者サイドから実態を明らかにすると共に,そこに存在するニーズを導き出すことで,通常の性生活を送るに困難な状況を解決・改善する一つの契機とすると共に,当然あるべき生活の一側面として位置づけられることを目的とする。方法:当事者への非構造化面接手法によるインタビュー調査を通し「個人・環境状況→社会生活ニーズ→サービスニーズ」という手順を踏み,具体的社会資源の利用要求であるサービスニーズを明らかにした。結果:明らかになった性生活ニーズは社会資源の分類枠組みに分類してみると,それが可能であった。つまり,性生活は生活の一部に位置づけられるといえる。一方で,既存の支援の枠組みからは抜け落ちている現状が浮き彫りとなった。
著者
本多 勇
出版者
国際医療福祉大学
雑誌
国際医療福祉大学紀要 (ISSN:13424661)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.13-23, 1998

「生活」は、言うまでもなく社会福祉の領域において重要かつ基本的なキーワードである。しかし、「生活」という概念は広範であり捉えにくい。「生活」概念についてはさまざまな学問領域から研究がされてきた。第2次世界大戦中や戦後は、おもに経済学において「生活」研究が展開された。高度成長期の時期には、おもに社会学において「生活」研究が展開された。他にも、家政学や法学など幅広い領域から「生活」研究が展開されている。本稿においては、5つの学問的領域における「生活」研究の成果を、代表的論者の議論を中心に概観している。すなわち、(1)経済学的・社会政策学的「生活」研究、(2)社会学的「生活」研究、(3)住居学的「生活」研究、(4)生活学的「生活」研究、(5)社会福祉学的「生活」研究である。それぞれの「生活」研究の論点や視座を検討したのち、「生活」を捉える枠組みとして、「生活」を「マクロ的視点の生活/客体的生活」と「ミクロ的視点の生活/主体的生活」として把握する議論を試論的に提示した。
著者
森田耕喜
出版者
国際医療福祉大学
雑誌
国際医療福祉大学紀要 = Bulletin of International University of Health and Welfare (ISSN:13424661)
巻号頁・発行日
no.1, pp.29-42, 1996-08-31

死についての哲学的洞察は、哲学がこれまでどのように死を問うてきたかという哲学史的問題へと我々を向かわせる。死とは何かという問いが、古来、哲学者達にとって根源的であり続けてきたのは、人間が本質的に死という未来によって限定された存在であるからである。ヘーゲル哲学における死の概念の考察が本稿の目的であるが、最初に死の概念について歴史的に概観し、次にヘーゲルの初期論稿と『精神現象学』における存在概念として特徴づけることによって、ヘーゲル哲学において生命と死の概念がもつ意味を考察する。初期論稿において生命は世界の存在概念として特徴づけられ、その存在性格が愛による運命との和解という初期思想の根本概念を規定している。「意識の経験の学」としての『精神現象学』に至って、生命は自己意識として捉えられ、生命は精神の生命となる。その際、死は生命の終わりでもなく、生命の対立概論でもなく、生命に内包され再生と新たな生命創造の契機であることが明らかになる。ヘーゲル哲学を含め近代西欧哲学はデカルトにより発見された「我思う」の自我、即ち、意識の哲学であるが、生命と死の概念についても、それが精神としての生命であり、意識の死であることが結論づけられる。Diese vorliegende Arbeit ist ein Versuch, den Begriff des Todes in der Hegelschen Philosophie aufzuklären. Das Problem des Todes oder die Frage nach dem Tod war immer wieder das bedeutendeste Problem für alle Philosohen, weil das Sein des Menschen wesentlich vom Tode beschränkt ist. Wollen wir zeigen, warum es sinnvoll ist, philosophische Betrachtungen über Tod anzustellen, so müssen wir zunächst erklären, wie Philosophie bis heute nach dem Tode gefragt hat.IN dieser Arbeit zuerst verblicken wir historisch und philosophisch den Befriff des Todes. Veispiel, da die Seele unsterblich und der Tod die Trennung von Leib und Seele sei. Für Decartes bedeutet der Tod des Menschen nur das Ende der automatischen Maschine.Dann wollen wir den Begriff des Lebens und Todes in Hegels Philosophie in Betracht ziehan. In den Hegels Theologischen Jugendschriften bezeichnet das Leben das Wirkliche d.h. die Weise des Sein. Auch in Phänomenologie des Geistes wird das Leben als Seinsbegriff klar.Seit Decartes und Kant könnten wir sagen, da Subjekt der neuzeitlichen Philosophie in anderen Worten, Vermittler Bewußtsein ist. SO in diesem Sinne ist der Tod des neuzeitlichen Menschen der Tod des Bewußtseins.
著者
斎藤 昭彦 丸山 仁司 新井 正一 橋本 光康 金場 敏憲 岩谷 力
出版者
国際医療福祉大学
雑誌
国際医療福祉大学紀要 (ISSN:13424661)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.35-43, 1998-12-25

この研究の目的は,MR画像から1)生体の大腿四頭筋全体あるいは個々の筋の各高位における筋断面積および筋容積を求め,臨床応用のための基礎データを提供すること,2)最大筋断面積や筋容積と,等運動性筋トルクとの関係性を検討し,最大断面積,筋容積といった筋形態学的情報から等運動性筋トルクの推定の可能性を探求することであった.健常大学生20名のMR画像から右大腿四頭筋の筋断面積および筋容積を求めた結果,大腿四頭筋の最大筋断面積は43±12.7cm^2,筋容積は1055±353cm^3であり,最大筋断面積と筋容積との間には相関係数0.981の高い相関が認められた.また,最大筋断面積,筋容積と,等運動性筋トルクとの間にも高い相関が認められ,MR画像からの形態学的情報である大腿四頭筋の最大筋断面積および筋容積から等運動性筋トルクの推定が可能であった.
著者
森田 耕喜
出版者
国際医療福祉大学
雑誌
国際医療福祉大学紀要 = Bulletin of International University of Health and Welfare (ISSN:13424661)
巻号頁・発行日
no.2, pp.21-30, 1997-08-31

近代の合理主義思想は、存在のロゴスともいうべき神の理法がこの世界を貫徹し、神が創造したこの世界と人間とは神の一部を共有しているから、人間理性は世界の理性的法則を認識可能となるよう保証されているというものである。こうした人間の合理主義的理性は、近世的な自然科学思想や技術的発展に支えられているように見えるが、17世紀以来の思想家たちが腐心してきたのは神の存在と霊魂の不死性を証明することであった。デカルトの二元論は心身関係に決定的なものとなったが、その後の哲学思想がこの問題とどのように向き合ったかを検討することで、死の概念について考察する。カント哲学において、思弁的理性がその限界を超えて実体や霊魂の不死性について論証することは越権行為であり、不可能であるとされる。『純粋理性批判』において、「理論理性」の問題は「実践理性」の問題へと、即ち、人間の「自由」と「信仰」の領域へと移行されるのである。Nach dem rationalistiche Gedanken in der Neuzeit ist die Welt durch die Vorsehbnung als Logos des Seins geherrischt und weil Gott diese Welt und den Menschen erschaffen hat, besitzen beide geheinsam ein Teil der güttlichn Vernunft. So kann die menschliche Vernunft das vernünftliche Gesetz der Welt erkennen. Es scheint, daβ diese rationalistische menschliche Vernunft sich auf den naturwissenshaftlichen Gedanken und die technische Entwicklung stützt, aber quälen sich viele Denker seit 17 jahrhundert mit dem Dasein Gottes und der Unsterblichkeit der Seele. Decartes Dualismus spielt eine groβ Roll bei der Verhältnis zwischen Leib und Seele. Durch die Untersuchung der philosophische Gedanken danach möchten wir den Begriff des Todes in der Kantischen Philosophie.
著者
道木 恭子 古谷 健一 牛山 武久 永松 秀樹 堀 達之
出版者
国際医療福祉大学
雑誌
国際医療福祉大学紀要 (ISSN:13424661)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.1-6, 2005

女性脊髄障害者81名を対象として産婦人科的問題に関する後方視的調査を実施した。結果、一般では減少傾向にある「膣感染症」が61名(75%)と最も多く、脊髄障害者において膣感染症が多いことから、膣洗浄による治療効果について検討した。洗浄は10%ポピドンヨード50倍希釈液を用い、2週間に1度の間隔で実施した。その結果5例中4例において、膣分泌物中の細菌の減少傾向が認められ、外陰部の発赤、びらん、悪臭などの自覚症状も軽減した。本研究から、膣感染症に対する洗浄の有効性および女性脊髄障害者の健康問題に関する医療者の理解と当事者に対する知識の普及の必要性が示唆された。
著者
久保 晃 丸山 仁司
出版者
国際医療福祉大学
雑誌
国際医療福祉大学紀要 (ISSN:13424661)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.15-18, 0003

本研究の目的は、理学療法学科学部生の就職先と就職先選定における関心事項を明らかにすることである。対象は、2000から2001年に国際医療福祉大学保健学部理学療法学科を卒業した187名、平均年齢24±3歳(男性94名、平均年齢24±4歳、女性93名、平均年齢23±2歳)である。就職内定先は、医療施設が全体の80%と大部分を占めた。他は、大学院進学7%や老人保健施設3.7%であった。内定先の希望順位は、60%が第一志望であった。希望勤続年数は、5年程度以下が過半数を占めていた。就職先選定要因についての関心度は、職場の人間関係を最も重視していた。
著者
平野 大輔 藤岡 崇 谷口 敬道
出版者
国際医療福祉大学
雑誌
国際医療福祉大学紀要 (ISSN:13424661)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.34-46, 2011-08-31

機能的近赤外分光法(functional near-infrared spectroscopy; fNIRS)は,近赤外光を用いた非侵襲的脳機能計測法であり,大脳皮質の神経活動に伴って変化する局所的な脳血流の変化を計測する技術である。この技術は,他の脳機能計測法に比べ時間分解能や空間分解能において格段に優れているわけではないが,安全性や低拘束性,可搬性の高さなどの特徴を有する。これらの特徴は,様々な対象の日常的な環境下における作業時の脳活動の計測を可能にする。対象が幅広く実施環境が多岐にわたるリハビリテーションにおいて,本技術を用い得られた知見は評価や介入の方針および手段の検討,効果判断の際に有益な示唆をもたらしてきた。他方,fNIRSにおいては統一された計測法や分析法が存在しないため,使用者はこの技術について熟知し正しく解析を行う必要がある。本稿においては,これまで発表されてきた論文を基に,fNIRSの歴史や原理,解析などを概説し,リハビリテーション実践過程におけるfNIRSの有用性と今後の展望について述べる。
著者
武田 弘志 辻 稔
出版者
国際医療福祉大学
雑誌
国際医療福祉大学紀要 (ISSN:13424661)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.1-10, 2008-07-31

1950年代にイミプラミンの抗うつ効果が発見されて以来,三環系ならびに四環系抗うつ薬,選択的セロトニン再取り込み阻害薬,およびセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害などの様々な抗うつ薬が開発され,うつ病の薬物治療は大きな発展を遂げた。しかし,これらの抗うつ薬の治療効果や安全性には未だ満足できない面もあることから,より有効性や安全性が高い新規抗うつ薬の開発が望まれている。蘇葉は,現在臨床において,うつ病や不安障害に対する有効性が認められている数種の漢方処方に共通して配合されている要薬の一つである。最近,著者らは,蘇葉に含まれるロズマリン酸およびその主要代謝産物カフェー酸が新規の抗うつ・抗不安様物質であることを明らかにした。また,神経化学的検討において,ロズマリン酸およびカフェー酸は,現在臨床で使用されている抗うつ薬の主たる薬理作用であるモノアミン再取り込み阻害作用やモノアミン酸化酵素阻害作用を有さないことを明らかにした。したがって,今後,これら両化合物の薬効の特徴や作用機序の詳細を明らかにすることにより,うつ病や不安障害に対する新規治療薬の開発やこれら疾患の病態生理の解明の一助になるものと考える。
著者
大熊 由紀子
出版者
国際医療福祉大学
雑誌
国際医療福祉大学紀要 (ISSN:13424661)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.1-9, 2007-01-31

『患者の声を医療に生かす』(医学書院)という本が,医療の世界,医学教育,卒後研究,看護教育関係者に静かなブームを巻き起こしています。2005年の国際医療福祉大学大学院の公開講座「乃木坂スクール」を再現したものです。一連の公開講義をコーディネートした経験を紹介するようにとの紀要委員会のお勧めで,この企画の背景,反響について書かせていただくことになりました。
著者
川合 承子
出版者
国際医療福祉大学
雑誌
国際医療福祉大学紀要 (ISSN:13424661)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.54-62, 2011

要支援・要介護認定を受けたひとり暮らし在宅高齢者132人を対象に,買い物・調理に関する実行状況と日常生活自立度との関連を明らかにし,買い物・調理の実行に必要な要因を検討するためにアンケート調査を行った。有効回答の116人について,全体と女性の日常生活自立度および買い物・調理との相関分析を行った。その結果,買い物・調理の実行状況と「障害高齢者の日常生活自立度」とは関連があり,「認知症高齢者の日常生活自立度」とは関連がなかった。買物に必要な要因は歩行能力と個人因子・環境因子が考えられた。調理に必要な要因は男性には調理方法の支援,女性には調理の意欲と調理が行いやすい台所の環境整備の必要性が高いことが分かった。
著者
東畠 弘子
出版者
国際医療福祉大学
雑誌
国際医療福祉大学紀要 (ISSN:13424661)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.29-40, 2009

本研究は在宅の認知症高齢者の福祉用具利用時の事故・ひやりはっとの実態を知るためにアンケート調査を行い,その防止策について検討を行ったものである。全国福祉用具専門相談員協会会員全員を対象に行った結果から,事故・ひやりはっと134 件のうち最も多いのはベッド・付属品で,なかでも柵が43 件(32.1%)と多く,「柵を乗り越えて転落」(19 件14.2%),「柵の挟み込み」(18 件13.4%)が顕著であることが明らかになった。認知症高齢者に限定した福祉用具の事故・ひやりはっと調査自体,筆者が調べた範囲ではこれまで例がなく,「柵を乗り越えて転落」に見られるように,認知症高齢者にとっては転落防止のための柵が行動の障害となり,事故につながる可能性があると考えられる。ベッド柵で囲むなど家族からの福祉用具による身体拘束の依頼も多く,認知症高齢者のリスクマネジメントとして,福祉用具専門相談員はベッド柵の使用について慎重に考える必要があると思われる。国とメーカーは「柵を乗り越える」ことに対する注意喚起をする必要がある。