- 著者
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江口 泰正
太田 雅規
大和 浩
- 出版者
- 産業医科大学学会
- 雑誌
- 産業医科大学雑誌 (ISSN:0387821X)
- 巻号頁・発行日
- vol.33, no.3, pp.247-253, 2011-09-01
現在,職場における健康保持増進の取り組みとしてもっとも多い内容は,「労働者健康状況調査結果の概況」(厚生労働省2008)によると「健康相談」であるが,2番目に多いのは「職場体操」である.一人でも,あるいは集団でも手軽にできる「体操」は労働者に受け入れられやすく,また継続もしやすいことから,ストレッチングは職場体操としても様々な形で実施されている.しかし,近年その効果に関して否定的な文献も多くなってきた.そこで,総説論文を中心に調査したところ,静的ストレッチング(static stretching)直後における筋パワー系運動(muscle strength/force and isokinetic power)のパフォーマンスはむしろ低下,運動後の筋肉痛の予防にはならないことも明らかにされている.「職場体操」の目的は様々であるが,ストレッチングを職場体操として選択する場合には,その目的に応じたやり方を考慮する必要がある.