著者
丸山 昭子 安梅 勅江
出版者
日本保健福祉学会
雑誌
日本保健福祉学会誌 (ISSN:13408194)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.41-47, 2000-10-31
被引用文献数
1

少子化時代における保健福祉サービスとして、夜間保育サービスヘの期待が高まっている。本研究は、夜間保育に関する顕在ニーズならびに潜在ニーズを、グループダイナミックスを応用した手法により体系的に把握し、深夜保育における課題を明らかにするとともに、今後の総合的な夜間保育のあり方への一助とすることを目的とした。対象は、夜間保育所の施設長6名、保育専門職(主任クラス)12名である。方法は、対象者の発するニーズをもとに支援の向上を図る質的な情報把握の方法論であるグループインタビュー法を用いた。その結果、施設長グループから、1)保護者の精神的援助の必要性、2)多様なニーズに対応可能なサービスの提供、3)学童保育の体制整備、4)十分な保育専門職の確保、5)地域に根ざした育児支援システムの整備、6)子育てに関する社会システム変革の必要性、の6点が課題としてあげられた。また、保育専門職(主任クラス)からは、1)子どもの生活リズムの調整、2)環境調整の工夫、3)異年齢保育の有効性、4)保護者に対する時間的・精神的サポート、5)保育専門職処遇の改善、6)一時保育のための体制の整備、の6点が課題として明らかにされた。これらの課題を今後の夜間保育に反映させ、さらにサービスの利用者である子ども・保護者、双方のウェルビーイングを社会全体で保障するシステムの構築が早急に求められる。

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こんな論文どうですか? 夜間保育サービスの今後の課題に関する研究 : 施設長・保育専門職のグループインタビューを通して(丸山 昭子ほか),2000 http://t.co/d9Ow1UJYJR

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