著者
武 小萌 佐藤 真一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.76, pp.119-124, 2011-05-30

近年,記憶装置の大容量化に伴い,大規模の放送映像を蓄積して利用できるようになりつつあり,なかでもCMは,地上波民間放送において全放送時間における20%の比率を保有している.放送映像解析や市場調査等の分野には,蓄積された膨大な放送映像アーカイブからCMを効率的且つ効果的に検出・同定する技術が求められる.本研究は,超高速の二段時間的共起ハッシュアルゴリズムを提案し,CMの大規模放送映像アーカイブからの検出・同定を目指す.1か月間のアーカイブに対する処理時間がわずか42分であった提案手法は,98.1%の検出精度と97.4%の位置特定精度を達成した.また,検出された大量のCMにおける経時分布を可視化することで,広告市場に関する潜在的知識の発見を可能にする新たなアプリケーションを紹介する.本アプリケーションは,4か月間5チャンネルという莫大の量の放送映像へ提案手法を適用した結果をもとにしたもので,提案手法の実用性とその知識発見への高い応用可能性を実証した.

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