- 著者
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伊藤 拓
- 出版者
- 日本ブリーフサイコセラピー学会
- 雑誌
- ブリーフサイコセラピー研究 (ISSN:18805132)
- 巻号頁・発行日
- vol.20, no.1, pp.15-26, 2011-10-31
ミラクル・クエスチョンはソリューション・フォーカスト・アプローチで用いられる有益な技法である.しかし,この技法に好反応を示さないクライエントがいる.本研究ではミラクル・クエスチョンの用い方に関する研究を展望し,ミラクル・クエスチョンを効果的に用いるための要点について考察した.ミラクル・クエスチョンを効果的に用いるためには,SFAの哲学の十分な理解と高度な面接スキルに基づいて,面接の過程において様々な取り組みを総合的に行わなければならないことが,本展望で示唆された.行うべきことには,特に,ミラクル・クエスチョンを尋ねる前に,それがクライエントに受け入れられやすくなるように慎重に準備することや,ミラクル・クエスチョンに対するクライエントの全ての応答をコンプリメントすることが含まれる.