著者
小野 千佐子
出版者
同志社大学大学院総合政策科学会
雑誌
同志社政策科学研究 (ISSN:18808336)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.149-162, 2009-12

本稿は、布製で洗って繰り返し使用できる月経処置用品である布ナプキンを通じて、月経が社会の中でどの様に考えられ、受け止められるかという月経観がいかに変容するかについて論じた研究ノートである。月経をめぐる問題の根底には、月経痛などの身体的症状によるもののほか、月経に対して隠したい、あるいは厄介で、なければいいのにと思うようなネガティブな価値観がある。そのような価値観の背景には、社会通念や国家の政策等があり、また月経処置の方法にも左右される。つまり、月経をめぐる問題は個人的問題ではなく、社会全体の問題として取り組んでいく必要がある。とりわけ、月経観は月経をめぐる問題を検討していく際に重要なことである。そこで、月経と社会のかかわりについて歴史をひもときながら整理をし、加えて、今日一般的に使用されている月経処置用品が普及した背景について述べた。そして、その月経処置用品が内包する問題点を明らかにし、新たな選択肢としての布ナプキンの可能性について、先行研究と筆者がおこなっている社会実験のひとつを事例として報告した。さらに、使用する月経処置用品の違いによって変化する事象について考察を加えた。研究ノート(Note)

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@tos CiNii 論文 -  布ナプキンを通じた月経観の変容に関する研究--「存在する月経」への選択肢を求めて https://t.co/XpFJzEKkJL

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