- 著者
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大日方 克己
- 出版者
- 島根大学法文学部山陰研究センター
- 雑誌
- 山陰研究 (ISSN:1883468X)
- 巻号頁・発行日
- no.1, pp.142-126, 2008-12
本稿で明らかにした十一世紀末から十二世紀前半にかけての出雲国司と任期は以下の通りである。①高階重仲 寛治三年(一〇八九).永長元年(一〇九六)、②藤原忠清 承徳元年(一〇九七).康和五年(一一〇三)、③藤原家保 長治元年(一一〇四).嘉承二年(一一〇七)、④藤原顕頼 天仁元年(一一〇八).永久二年(一一一四)、⑤藤原隆頼 永久二年(一一一四).保安二年(一一二一)、⑥藤原憲方 保安二年(一一二一).大治三年(一一二八)、⑦藤原経隆 大治四年(一一二九).大治五年(一一三〇)、⑧藤原光隆 大治五年(一一三〇).?、⑨藤原光隆 保延四年(一一三八).久安二年(一一四六)、⑩藤原経隆 久安三年(一一四七).久寿元年(一一五四)。出雲国においては、摂関家家司受領が高階重仲を最後に姿を消し、院近臣、とくに藤原為房一門、基隆一門、清隆一門によって受領と知行国主が独占されるようになり、この時期の政治権力構造の変化を反映していることが指摘できる。