著者
野田 富男 Tomio Noda 九州情報大学 経営情報学部 経営情報学科
出版者
九州情報大学
雑誌
九州情報大学研究論集 (ISSN:13492780)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.25-38, 2012-03

わが国の航空機産業は、陸海軍の主導によりその発展を遂げた。このことは日本だけでなく第一次世界大戦で初めて飛行機が航空兵力として登場し、有効性を世界中に認識せしめた時から、同様な現象がヨーロッパの先進国間でも生じていた。大戦後、飛行機の研究・開発競争はフランス・ドイツ・イギリスなどの国々を中心に展開され、僅か10年の間に目覚しい進化を遂げていった。飛行機の開発後進国であったわが国では、技術に詳しい陸海軍関係者を通してヨーロッパやアメリカにおける最新の情報が航空機メーカーにもたらされていた。1920年以降、そうした情報を基礎にしてエンジン・機体の模倣と改良を繰り返しながら、20年間の研究努力を重ねて独自の技術を確立するに至った。その象徴がゼロ戦であり、そうした技術開発の蓄積により多くの優れた陸海軍機が作り出されて行くことになった。本稿では、陸海軍航空技術廠と民間飛行機メーカーにおける技術開発のプロセスを追うとともに、実戦に参加した多くのパイロットを養成した陸海軍飛行学校の内容についても検討を加えた。

言及状況

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https://t.co/gFQyhyArSs こっちの論文では30年代に中島飛行機で流れ作業が導入されかけたけどストライキされるからやめろと軍に止められたと書かれている。面白い。
@t_wak https://t.co/T3t8KKKAyJ 孫引きですが、各国軍用機の年別生産数がうかがえる論。零戦の生産機数が、1941、1942の両年を足しても、2000機を切っていたという話も。
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