- 著者
-
川野 佐江子
- 出版者
- 大阪樟蔭女子大学
- 雑誌
- 大阪樟蔭女子大学研究紀要 (ISSN:21860459)
- 巻号頁・発行日
- vol.2, pp.125-136, 2012-01-31
本論の目的は、プロレスラーの身体装飾に着目することで、現代社会において「男性身体」がどのような状況におかれているのか、を見ることにある。そのことは、近代以降その覇権性を保ってきた男性中心主義が社会でどのような現状におかれているのか、を俯瞰することでもある。このことはジェンダー概念が、現代社会の構造を明らかにする上でどれほど有効性を保持しているのか、という一つの疑義を含んでいる。それはつまり、男性女性という二項対立を分析軸にした身体性の問題に対する疑義でもある。ジェンダー概念では分析しきれない身体性の在り様について、特に「男性身体」をテーマにして、論じていく。