著者
端谷 毅
出版者
日本赤十字豊田看護大学
雑誌
日本赤十字豊田看護大学紀要 (ISSN:13499556)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.59-63, 2012-03-31

筆者は、看護学生に形態機能学を教えている教員であるが、以前は愛知県保健所長の行政職に就いていた。また、精神科クリニックにおいて、アスペルガーやADHD などの発達障害を専門分野とした診療を行っている。外来で診察を待つ子供たちの中には、障害の特性もあり、静かに順番を待つことができず、親の注意も耳に入らない様子で待合室のソファーを飛び回り、気の向くままに行動し、動き回っている患児も少なくない。そのような光景を目にするたびに、『もしもこの地域に災害が発生し、避難所での生活が始まったとしたら、この子たちはいったいどうなってしまうのだろう。』と考えさせられることがある。また、軽度の認知症を抱える独居の老人宅へ往診に行くたびに、家屋の佇まいからは想像もできないくらい立派な電化製品が次々と増えていく様を見て、ゆとりのある生活をイメージしていたのだが、ケースカンファレンスでの情報によると、悪質業者によって騙されて購入したものであることが分かった。このような事例から、医師として、また元行政関係者という立場から災害発生時における要援護者へのサポートについて、災害時要援護者対策の歴史的視点から考えてみたい。

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