著者
端谷 毅
出版者
日本赤十字豊田看護大学
雑誌
日本赤十字豊田看護大学紀要 (ISSN:13499556)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.59-63, 2012-03-31

筆者は、看護学生に形態機能学を教えている教員であるが、以前は愛知県保健所長の行政職に就いていた。また、精神科クリニックにおいて、アスペルガーやADHD などの発達障害を専門分野とした診療を行っている。外来で診察を待つ子供たちの中には、障害の特性もあり、静かに順番を待つことができず、親の注意も耳に入らない様子で待合室のソファーを飛び回り、気の向くままに行動し、動き回っている患児も少なくない。そのような光景を目にするたびに、『もしもこの地域に災害が発生し、避難所での生活が始まったとしたら、この子たちはいったいどうなってしまうのだろう。』と考えさせられることがある。また、軽度の認知症を抱える独居の老人宅へ往診に行くたびに、家屋の佇まいからは想像もできないくらい立派な電化製品が次々と増えていく様を見て、ゆとりのある生活をイメージしていたのだが、ケースカンファレンスでの情報によると、悪質業者によって騙されて購入したものであることが分かった。このような事例から、医師として、また元行政関係者という立場から災害発生時における要援護者へのサポートについて、災害時要援護者対策の歴史的視点から考えてみたい。
著者
林 和枝 中島 佳緒里 高見 精一郎 端谷毅
出版者
日本赤十字豊田看護大学
雑誌
日本赤十字豊田看護大学紀要 (ISSN:13499556)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.47-53, 2011-03-31
被引用文献数
1

本研究は、食育推進授業を計画するための基礎資料を作成することを目的とし、女子中学生を対象に骨量・身体測定ならびに生活習慣に関して調査をしたものである。対象は、B 公立中学校に在籍する1 から3 年生の380 名である。骨量の測定は、超音波骨密度測定器を使用し、右踵にて測定した。調査項目は、身長、体重、生活習慣、運動習慣、月経状況である。その結果、3 年生以外で骨量平均値とBMI に有意な相関を認めた。月経の有無と骨量平均値では、3 学年全体と1 年生で有意差がみられた。食生活では、3 年生のみ、偏食のある生徒の骨量平均値が低い傾向を示した。運動習慣は、運動部や学校以外の運動サークルに所属している生徒、小学生の時に運動部に所属していた生徒で、骨量平均値が有意に高い結果が得られた。以上より、女子中学生の骨量増加には、バランスのとれた食事を促すことと、学童期の運動習慣の獲得とその継続の重要性が再確認された。