著者
安酸 建二 緒方 勇
出版者
日本管理会計学会
雑誌
管理会計学 : 日本管理会計学会誌 : 経営管理のための総合雑誌 (ISSN:09187863)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.3-21, 2012-01-15

本稿の目的は,利益目標の達成圧力にさらされている企業において,自由裁量的支出費用の代表である研究開発費(以下,R&D費用)の削減を通じて「期中に」利益調整が行われているのかどうかを検証することにある.利益目標として注目するのは,経営者による利益予測値である.分析の結果,利益目標を達成できそうもない状況におけるR&D費用の削減を通じた利益調整が,売上高に占めるR&D費用予算の割合が大きい場合(本研究では5%以上)に見られることを発見した.これらの発見は,R&D費用の期中における削減を通じた利益調整の存在を示す証拠となる.

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