著者
西田 隆義
出版者
日本生態学会
雑誌
日本生態学会誌 (ISSN:00215007)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.287-293, 2012-07-30

生物の分布と個体数を、生物間の相互作用によって統一的に説明することは生態学のもっとも基本的な目標である。しかし、資源競争説が徐々に衰退するにつれ、統一的な説明のみこみは低下し続けているようだ。本論文では、近縁種間に潜在的にある繁殖干渉を説明の第一原理として取り込むことにより、分布、生息場所選択、ニッチ分割、競争排除、外来種による近縁在来種の急速な駆逐など、資源競争では説明が困難であった多様な生態現象が統一的に説明できることについてのべる。そして、過去の研究においてなぜ繁殖干渉がほとんど見逃されてきたかについて、資源競争や交雑の効果と比較検討することにより考察する。

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資源競争から繁殖干渉へ、人間の認知の偏りに留意した生物分布密度への影響の統一的説明への試み。興味深い。> 西田隆義(2012-07)、日本生態学会誌 62(2)、pp.287-293 http://t.co/8K0gfPue2q

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