著者
三原 博光
出版者
全国障害者問題研究会
雑誌
障害者問題研究 (ISSN:03884155)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.35-42, 2012-11

本研究の目的は,ドイツと日本のきょうだいの個別事例の比較研究を通して,わが国のきょうだいの支援を検討することにある.ドイツのきょうだいは,障害者自身にも独自の生活があり,障害者の存在によって自分の欲求を抑えるとは考えておらず,障害者が入所施設で生活することには否定的ではなかった.日本のきょうだいは,親が障害者の世話に時間を取られ,子どもの頃,孤独な時間を過ごしていた.きょうだいは,障害者が入所施設で生活するには否定的であり,親亡き後の障害者の世話を考えていた.日独のきょうだいは,障害者の影響から医療福祉関係の職種を選ぶ傾向にあった.日本のきょうだいは,ドイツのきょうだいに比較して,障害者のことで自分の欲求を抑え,親亡き後の障害者の世話をする傾向にあった.そこで日本のきょうだいが自分の欲求を抑えずに自由に生活ができるような福祉サービスの提供が必要とされる.

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