著者
藤原 明広 巳波 弘佳
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.469, pp.121-126, 2012-03-01
参考文献数
11

昨年の東日本大震災を契機に,自然災害時に有効な情報通信技術が再考されている.現状の災害時避難誘導は,携帯電話で動作するアプリケーションは存在するものの,被災地のリアルタイム情報の収集や,それを緊急避難に活用できない問題が存在する.例えば,実際の被災地で通行不能となった箇所の道路情報が不足しているために,避難経路の頻繁な修正を余儀なくされる可能性がある.この問題を解決するため,避難者が通行不能箇所の情報を収集し,それをすれちがい通信で共有し合い,避難経路決定に利用する,リアルタイム災害時避難誘導を提案する.また,避難モデルをシミュレーションし,提案方式の性能評価も行った.本方式により,被害が大きい被災地ほど,より迅速かつ適切な避難誘導が実現できる.

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