著者
茂出木 敏雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMM, マルチメディア情報ハイディング・エンリッチメント (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.496, pp.7-12, 2012-03-09
参考文献数
7
被引用文献数
4

音響信号の高域部に、コピー牽制の警告音声やコピー妨害雑音等の第2の音響信号を、スペクトルを周波数方向に反転させながら不可聴な形態で重畳させる。この音響信号に対して、所定のサンプリング周波数で再録音を施すと、埋め込まれた第2の音響信号の成分が低域に折り返され可聴化できる。しかし、通常はサンプラー前処理部の低域通過フィルターにより、折り返し成分は抑圧され可聴化されない。本稿では、埋め込まれた信号に対してマスキングの範囲内で事前に半折り返し処理を施し、折り返し時に原音成分を打ち消す作用を付加してマスキング作用を解除することにより、LPFで抑圧される第2音響信号の成分を可聴化させ、録音信号処理に対するロバスト性をもたせる手法を提案する。

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