- 著者
-
伊藤 良子
- 出版者
- 京都市立看護短期大学
- 雑誌
- 京都市立看護短期大学紀要 (ISSN:02861097)
- 巻号頁・発行日
- vol.37, pp.25-34, 2013-02-01
両下肢末梢方向リズミカルアインライブングを施行した時の心理・主観・自律神経系の反応を明らかにすることを目的に健康成人女性14 名を対象にクロスオーバーランダム化比較試験を行った.10分間のストレス負荷後,実験群には下肢アインライブング,対照群には安静保持を各10 分間施行し,その後16 分間の安静保持を行った.測定指標はフェイススケール・RE 尺度・VAS 法・SD 法・POMS・心拍変動スペクトル解析・表面皮膚温とした.実験群と対照群との介入後の2 群間比較では実験群でのフェイススケール・VAS 法・SD 法で有意(p < .05)のリラックス感覚の増加,HF 値(副交感神経活動指標)の介入中の6 分間と介入後の2 分間での有意(p < .05)の増加, 心拍数の介入中の10 分間での有意(p < .05)の減少を認めた.以上から下肢アインライブングによる主観的緊張緩和効果と副交感神経系活動の活性化作用が明らかになり,リズミカルアインライブングのリラックスケアへの活用の可能性を確認できた.