- 著者
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池添 博彦
- 出版者
- 帯広大谷短期大学
- 雑誌
- 帯広大谷短期大学紀要 (ISSN:02867354)
- 巻号頁・発行日
- vol.50, pp.25-31, 2013
万葉集に使用される5万余りの語彙の内、`こころ'の関連語および`おほに'の類縁語について分析した。 `こころ'の語は252回用いられ`情、心、意、神、景迹'の文字があてられている。そのうち`情'と`心'の字が大半を占めている。 `おもふ'は万葉集に536回用いられ`念、思、憶、想'の文字が使用されているが、その8割は`念'の字である。 `おほに'は12回、`おほほし'は19回用いられ、前者には`髣髴、凡、鬱(欝)、不明、踈'が、後者には`欝、鬱悒、不明、不清、凡'が使用されている。 `髣髴'は`おほに'の他に`ほのか'と訓まれ、`鬱'は`おほに、おほほし'の他に`いぶせし'と訓まれる。`凡'は`おほに、おほほし'の他に`いぶせし'と訓まれる。`凡'は`おほに'および`おほろか'と訓まれている。