- 著者
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岸本 肇
- 出版者
- 東京未来大学
- 雑誌
- 東京未来大学研究紀要 (ISSN:18825273)
- 巻号頁・発行日
- vol.2, pp.25-32, 2009-03-20
第一次世界大戦中、日本に囚われていたドイツ兵捕虜のスポーツ活動の中でも、特にサッカー交流を取り上げ、その事実・背景と教育遺産について論じた。その内容は、おおむね、下記のごとくである。 1.似島、青野原および名古屋の捕虜収容所にいたドイツ兵のサッカー交流が、史料により確認されている。 2.交流相手は、主として、中学校、師範学校・高等師範学校であった。 3.サッカー試合を含む文化・スポーツ交流は、彼らの解放が近くなった1919 年に集中している。 4.ドイツ兵捕虜収容所があった自治体における、コンサート、スポーツ行事、展覧会の催行により彼らの諸活動を再現するとりくみ、および学校でドイツ兵捕虜の足跡を題材にした教材づくりや授業をする実践は、地域教育や平和教育、国際交流教育の観点から評価できる。