- 著者
-
マルチュウコフ アンドレイ
- 出版者
- 国立国語研究所
- 雑誌
- 国語研プロジェクトレビュー (ISSN:21850119)
- 巻号頁・発行日
- vol.3, pp.1-15, 2010-10
本稿は分裂他動性を考察する。即ち,ある出来事を描写するのに,他動詞を用いるか,自動詞を用いるかに関する通言語的な傾向を考察する。本稿は,Tsunoda(1981, 1985)の動詞階層を出発点として,この階層を二次元の階層(または二次元の意味地図)に修正すれば,意味的に一貫したものになることを示す。二次元の階層を用いると,一次元の階層の反例を説明できる。更に,諸言語(例えば英語と日本語)の間に見られる違いを一貫した原理で説明できる。