著者
窪薗 晴夫
出版者
国立国語研究所
雑誌
国語研プロジェクトレビュー = NINJAL Project Review (ISSN:21850100)
巻号頁・発行日
no.3, pp.17-34, 2010-10

国立国語研究所「ストライキ」から「スト」,「テレビジョン」から「テレビ」というように,多くの外来語が2~4モーラの長さに短縮される。この短縮語形成についてはこれまでもいくつか出力条件(制約)が考えられてきたが,一つの入力に対して唯一の出力を予測するまでには至っていない。本稿は「短縮語は短いほど良い(the shorter, the better)」という前提に基づく従来の分析に対し,単語分節という全く別の観点からの分析を提案する。この分析では,5モーラ以上の長さの単純語は音韻的には実は複合語(疑似複合語)であり,その後半部分が削除されることにより短縮形が生成されると分析する。この分析により,長い単純語の短縮パターンが説明できるだけでなく,単純語の短縮と複合語の短縮(携帯電話 → ケータイ)を同一のプロセスとして一般化できる。さらには,4モーラと5モーラの境界が関与する他の言語現象と短縮語形成の共通性もとらえられるようになる。

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どうせ誰にも届きませんが、シリコンバレーの奴はrebracketingではなくて複合語短縮です。携帯電話>ケータイ、ペットボトル>ペット等 https://t.co/aifSODYxt7 rebracketingはハンバーガーからバーガーを抜き出すような語の区切りが変わってしまう現象です。

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