著者
片桐 真弓
出版者
尚絅大学
雑誌
尚絅大学研究紀要. A, 人文・社会科学編 (ISSN:21875235)
巻号頁・発行日
no.45, pp.1-20, 2013-03-31

本稿では,母親に対する縦断的面接調査を下に,幼児期から児童期における家庭教育の実態について明らかにした。(1)幼児期から習い事を利用しており,子どもの意思を尊重しつつも,親側が意識的に習い事の選択をしていた。また,通信教育を利用する家庭が見られた。(2)宿題については,親のサポート体制の下で家庭学習が行われていた。宿題ほどの比重はないが,何らかの手伝いをさせている。ゲームの取扱いについては苦慮しており,ルールを設定していた。(3)子どもの将来像では,子どもの主体性に任せるとする母親が大半であるが,希望を叶えるために,基本的な事柄を重視している。(4)母親自身の就労の背後には,家庭教育に関する母親としての責任感が見られた。そして,家庭教育への責任を果たすために,働き方を調整しているケースも見られた。

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