著者
片桐 真弓
出版者
学校法人 尚絅学園 尚絅大学研究紀要編集部会
雑誌
尚絅大学研究紀要 A.人文・社会科学編 (ISSN:21875235)
巻号頁・発行日
vol.48, pp.137-148, 2016-03-31 (Released:2019-07-05)

本稿では,子育て中の母親への面接調査を下に,父親の子育ての質的特徴について明らかにした。父親には何よりもまず職業人としての扶養役割があるという前提はあるが,それでも扶養役割だけでなく,いくつかの親役割を果たし,子育てに関わっていないということはなかった。しかし,その内容を見ると,子どもの身の回りの世話のようにほぼ毎日決まった時間に行うことが求められるものは母親が担っており,父親の子育ては限られたなかで行われていた。イクメンをブームで終わらせないためには,長時間労働の働き方の見直し,教育が課題として上げられる。
著者
片桐 真弓
出版者
尚絅大学
雑誌
尚絅大学研究紀要. A, 人文・社会科学編 (ISSN:21875235)
巻号頁・発行日
no.45, pp.1-20, 2013-03-31

本稿では,母親に対する縦断的面接調査を下に,幼児期から児童期における家庭教育の実態について明らかにした。(1)幼児期から習い事を利用しており,子どもの意思を尊重しつつも,親側が意識的に習い事の選択をしていた。また,通信教育を利用する家庭が見られた。(2)宿題については,親のサポート体制の下で家庭学習が行われていた。宿題ほどの比重はないが,何らかの手伝いをさせている。ゲームの取扱いについては苦慮しており,ルールを設定していた。(3)子どもの将来像では,子どもの主体性に任せるとする母親が大半であるが,希望を叶えるために,基本的な事柄を重視している。(4)母親自身の就労の背後には,家庭教育に関する母親としての責任感が見られた。そして,家庭教育への責任を果たすために,働き方を調整しているケースも見られた。