著者
田中 厚成 岡本 恒 服部 恭介
出版者
千葉科学大学
雑誌
千葉科学大学紀要 (ISSN:18823505)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.31-48, 2013-02-28

近年発展の極めて著しいスーパー・コンピュータを用いた大規模数値解析により、流体中の圧力の3次元等圧面、および流体が作用する複雑な等応力面が、3次元立体形状として可視化され、更にそれらの形成、移動、および変化を求めることにより複雑で難解な流体現象を説明する方式が確立しつつある。これは単に工学的意義が大きいばかりでなく、今世紀まで残された数学の難問の一つである流動現象の支配方程式の解を3次元的に図示しているとも受取ることができる。この数値解析には世界トップクラスのコンピュータを年単位で連続運用する必要があり、結果の検証には、等圧面、等応力面の形状、強さ、位置、移動速度等の詳細で膨大な基礎データが必要になる。このため長期間かけてシステマチックな基礎実験研究の裏付けに基づいて成されたものである。 本研究では複雑多岐な等圧面、等応力面を用いた流体のダイナミクス(動力学)を流体の支配方程式の解析解(:数式解)と見なしている。第1報で関数解析により有意な解を得る条件を定め、その条件から得られる解により流体中の多数の渦構造圧力が提示できることを示した。第2報では解法の有効性を高める漸近解の収束方式、高次微分の信頼性等を検討した。本報では数値実験で用いている弱周期境界条件を用いても数式解は安定し、且つ、流体中の渦構造圧力の個数、形状、間隔を合わす上で有効であることを示す。これにより本方式の実用化の可能性も提示することができたと考える。

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