著者
瀧澤 毅
出版者
千葉科学大学
雑誌
千葉科学大学紀要 (ISSN:18823505)
巻号頁・発行日
no.3, pp.149-160, 2010-02

マスクを着用することがインフルエンザ感染予防に有効であるというエビデンス(科学的根拠)があるのかEBMの方法により検討した。そのため本学図書館から利用できる医中誌, JMEDPlus, 医学・薬学予稿集データベース、日経メディカルオンライン、MEDLINE, Cochrane Libraryを検索し、インフルエンザと呼吸器感染症に対するマスク着用の予防効果について、臨床論文を抽出しエビデンスを評価した。マスク着用がインフルエンザや他の感染症予防に有効であることを検証した推奨度A、エビデンスレベル1bのランダム化比較試験のエビデンスはない。これまでマスク着用のインフルエンザ感染症予防を検証するランダム化比較試験が香港とシドニーで実施されたが、いずれもマスク着用と非着用のインフルエンザ感染発症率に統計的有意差はなかった。推奨度B、エビデンスレベル2aの観察研究ではインフルエンザ予防に有効であることを示す非ランダム化比較試験とコホート研究のエビデンスがある。また、SARS感染予防に有効である可能性を示唆する推奨度B,エビデンスレベル3aの症例対照研究のメタアナリシスによるエビデンスもある。一方、手洗いの小児肺炎などの感染症予防効果については、推奨度A,エビデンスレベル1bのランダム化比較試験のエビデンスがある。WHOや米国CDCのインフルエンザ予防ガイドラインはマスク着用よりも手洗いを重視しているが、これは両者の予防効果のエビデンスレベルの違いを反映させたものである。
著者
植木 岳雪
出版者
千葉科学大学
雑誌
千葉科学大学紀要 = The University bulletin of Chiba Institute of Science (ISSN:18823505)
巻号頁・発行日
no.11, pp.75-82, 2018-02-28

著者が今までに受け取った79通の不採用通知の文面を分析した結果,研究者の不採用通知は平成22~25年の方が平成11~14年よりも「お祈り」または「祈念」と,「ますます」という表現が含まれるものの割合が増加した。研究者の不採用通知は,ビジネス文書のような定型の文面を主とし,より簡素で事務的なものになってきたことがわかった。その要因として,1つの公募に対する応募者数が増えたため,採用側が応募者に不採用通知を送る際の手間を少なくするようになったことが考えられる。
著者
衛藤 廣隆 藤井 広志 船倉 武夫
出版者
千葉科学大学
雑誌
千葉科学大学紀要 = The university bulletin of Chiba Institute of Science (ISSN:18823505)
巻号頁・発行日
no.5, pp.35-54, 2012-02

阪神・淡路大震災と東日本大震災の記録から抽出した7項目(図書館の避難所利用、応援出務、避難所等でのお話会、避難所等への配本、支援情報の提供、震災関連資料の収集、自館の復旧作業)を大災害時に地域の公共図書館が行った特徴的な業務であると捉え、それぞれを細かく検証した。その検証により、地域の公共図書館の活動が被災地の住民の復旧や生活の維持に貢献するものであることが確認された。 さらに、被災した図書館の支援が図書館関係者によって行われることを前提として、図書館関係者81名に対し、被災地の読書や図書館活動を支援することに関するアンケートを実施した。比較するために行った教員85名、学生31名へのアンケートと併せて分析した結果、勤務地や自宅において行う支援を指向する傾向が確認され、さらに図書館における支援に関する問題が明らかになった。これらの検証によって、被災した公共図書館を支援する体制を検討する際に有益な知見を得た。この知見をもとに新たな支援体制の概念図を作成した。
著者
糟谷 大河 有馬 裕介 百原 新
出版者
千葉科学大学
雑誌
千葉科学大学紀要 = The University Bulletin of Chiba Insitute of Science (ISSN:18823505)
巻号頁・発行日
no.12, pp.187-192, 2019-02-28

大阪府泉佐野市の大阪層群最下部の炭質層,および同枚方市の大阪層群上部,Ma8海成粘土層より産出した3点の子嚢菌類の化石について,形態的特徴を観察した.その結果,子座および子嚢殻の形態的特徴に基づき,これらは現生の分類群であるクロコブタケ属との類似性が示された.また,これら3点の化石の子嚢殻と子嚢胞子の形態にはそれぞれ違いが認められ,これらは異なる分類群である可能性が示唆された.
著者
河田 みどり 池邉 敏子
出版者
千葉科学大学
雑誌
千葉科学大学紀要 (ISSN:18823505)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.103-110, 2013-02-28

産後の疲労の蓄積は、産後の回復を遅らせ、免疫の低下や全身の健康状態の低下を招く恐れがあると考える。本研究は、疲労と授乳との関連を明らかにし、看護のあり方の示唆を得ることを目的として行った。自記式質問紙および自覚症状調査票(日本産業衛生学会産業疲労研究会)を用いて、分娩退院時、1か月時、3か月時に継続調査した。 自覚症状は、1か月時が有意に多かった(p<0.05)。自覚症状の訴え項目の中で上位3項目は、3時期を通じて「ねむい」、「腰がいたい」、「肩がこる」であった。退院時は、睡眠時間が長くなると自覚症状は有意に減少した(r_S=-0.601, p<0.01)。1か月時の自覚症状と夜間の授乳回数(r_S=0.412, p<0.05)、3か月時の自覚症状と一日あたりの授乳回数(r_S=0.484, p<0.05)との間には、有意な正の相関があり、授乳回数の増加は自覚症状を増加させた。また、退院時の自覚症状と乳頭亀裂や痛みとの間には、乳頭亀裂や痛みのある人のほうが、自覚症状が有意に多かった(p<0.05)。授乳回数の増加や睡眠時間の減少が、疲労、乳頭亀裂や痛みを増加させた可能性が推測された。 疲労の関連要因として、授乳回数や睡眠時間が考えられ、疲労の状態を考慮しながら母乳保育を進めていくことが重要と考える。また、乳頭亀裂や痛みの症状は、疲労の蓄積の一つの徴候としてとらえ、より注意深く退院後の母親の健康状態を継続看護していく支援体制が、必要であることが示唆された。
著者
戸田 博也
雑誌
千葉科学大学紀要 = The University Bulletin of Chiba Institute of Science (ISSN:18823505)
巻号頁・発行日
no.9, pp.23-34, 2016-02-28

イスラム教スンニー派過激派武装集団である「イスラム国」(IS)(以下、「イスラム国」とする)は、国際法上の「国家」と見なしうるのか。国際法上「国家」であると言うためには一定の成立要件が必要となる。まず、国際法上の国家の成立要件を論じる際に、多くの教科書や論文で引き合いに出されるのが、1933年の「国家の権利義務に関するモンテヴィデオ条約」第1条である。同条は、「国際法上の人格としての国はその要件として、(a)永続的住民、(b)明確な領域、(c)政府、及び(d)他国と関係を取り結ぶ能力を備えなければならない」と規定する。多くの日本における国際法の教科書が、この(a)から(d)の「4つの要件」を、諸国家に受け入れられた一般的な要件としている。ところで、国家領域の一部が分離独立する等により新国家が成立するという文脈で、「国家」になろうとする実体に対して、既存の国家による国家承認が行われる。既存の国家は国家承認を行う場合、当該4要件に従って判断することになるのであり、4要件を詳細に熟知しておく必要がある。ところが、日本の国際法学者による論文や教科書では、この4要件についてあまり詳細な議論がなされてきていない。したがって、本稿では、この4要件について詳細な分析・検討を行う。さらに、「イスラム国」は上記4要件を満たした存在なのだろうか。それとも、満たしていないのだろうか。この点も、考察の対象とする。本稿における検証の結果、以下のことが指摘できる。イスラム国は、モンテヴィデオ条約が示す国家の4要件、すなわち、①永続的住民、②明確な領域、③政府(実効的支配を行う政府)、④他国と関係を取り結ぶ能力(外交能力)、という要件から判断した結果、①と②の要件は満たしているが、③と④の要件は満たしていないと判断しうる。したがって、「イスラム国」は国際法上の「国家」ではないという結論に至る。
著者
植木 岳雪
出版者
千葉科学大学
雑誌
千葉科学大学紀要 (ISSN:18823505)
巻号頁・発行日
no.11, pp.75-82, 2018-02

著者が今までに受け取った79通の不採用通知の文面を分析した結果,研究者の不採用通知は平成22~25年の方が平成11~14年よりも「お祈り」または「祈念」と,「ますます」という表現が含まれるものの割合が増加した。研究者の不採用通知は,ビジネス文書のような定型の文面を主とし,より簡素で事務的なものになってきたことがわかった。その要因として,1つの公募に対する応募者数が増えたため,採用側が応募者に不採用通知を送る際の手間を少なくするようになったことが考えられる。
著者
戸田 博也
出版者
千葉科学大学
雑誌
千葉科学大学紀要 (ISSN:18823505)
巻号頁・発行日
no.9, pp.23-34, 2016-02

イスラム教スンニー派過激派武装集団である「イスラム国」(IS)(以下、「イスラム国」とする)は、国際法上の「国家」と見なしうるのか。国際法上「国家」であると言うためには一定の成立要件が必要となる。まず、国際法上の国家の成立要件を論じる際に、多くの教科書や論文で引き合いに出されるのが、1933年の「国家の権利義務に関するモンテヴィデオ条約」第1条である。同条は、「国際法上の人格としての国はその要件として、(a)永続的住民、(b)明確な領域、(c)政府、及び(d)他国と関係を取り結ぶ能力を備えなければならない」と規定する。多くの日本における国際法の教科書が、この(a)から(d)の「4つの要件」を、諸国家に受け入れられた一般的な要件としている。ところで、国家領域の一部が分離独立する等により新国家が成立するという文脈で、「国家」になろうとする実体に対して、既存の国家による国家承認が行われる。既存の国家は国家承認を行う場合、当該4要件に従って判断することになるのであり、4要件を詳細に熟知しておく必要がある。ところが、日本の国際法学者による論文や教科書では、この4要件についてあまり詳細な議論がなされてきていない。したがって、本稿では、この4要件について詳細な分析・検討を行う。さらに、「イスラム国」は上記4要件を満たした存在なのだろうか。それとも、満たしていないのだろうか。この点も、考察の対象とする。本稿における検証の結果、以下のことが指摘できる。イスラム国は、モンテヴィデオ条約が示す国家の4要件、すなわち、①永続的住民、②明確な領域、③政府(実効的支配を行う政府)、④他国と関係を取り結ぶ能力(外交能力)、という要件から判断した結果、①と②の要件は満たしているが、③と④の要件は満たしていないと判断しうる。したがって、「イスラム国」は国際法上の「国家」ではないという結論に至る。
著者
上野 宏共 地下 まゆみ 安藤 生大 坂本 尚史
出版者
千葉科学大学
雑誌
千葉科学大学紀要 (ISSN:18823505)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.75-86, 2010-02-28

屏風ヶ浦は太平洋の波により侵蝕された海蝕(かいしょく)崖(がい)であり、1966年に消波ブロックが設置されるまで長年に亘り侵蝕が続いていた。高さは50 mもあり長さは9 kmにおよぶ灰白色の崖は、東洋のド-バ-とも呼ばれている。イギリスとフランスに挟まれるド-バ-海峡のイギリス側の白亜の崖は約1億年前の白亜紀に海底に積もった石灰質化石からできた堆積岩で構成されており、景観としては屏風ヶ浦と似ているが、屏風ヶ浦の正面に露出する100万年程度前の堆積岩とは地質年代が大きく異なる。屏風ヶ浦の飯岡層は珪質シルト岩でド-バ-の石灰質の白亜の崖とは岩質が異なる。 屏風ヶ浦で見える地層は下位から名洗(なあらい)層・飯岡層・香取(かとり)層・関東ロ-ム層である。銚子市名洗町などの東側には粗粒砂岩からなる名洗層が分布する。屏風ヶ浦では名洗層の上部の一部が見えるに過ぎない。名洗層の形成年代は500万年前から200万年前とされている。引き続いて時間間隔を置かずにシルト岩からなる飯岡層が深海底で堆積した。この地層は屏風ヶ浦の崖下3分の2を占める灰白色の岩石であり、わずかながら西に傾斜しているのが層理面などから分かる。化石と古地磁気の結果を総合して、飯岡層の年代は200万年前から70万年前に亘っていることを明らかにした。香取層は不整合に飯岡層を覆う。屏風ヶ浦の東側では名洗層の上に直接香取層が乗る。香取層は黄褐色で厚さ約25 m、下部では細粒砂岩が多いが上部になるにつれて粗粒になり波の作用によって生じたクロスラミナ模様が地層中に残っている。香取層の年代は10万年前と推定されている。関東一円に分布する関東ロ-ム層は銚子地域でも同じで香取層を不整合に覆う。古富士火山や箱根火山からもたらされた火山灰が降下したものが関東ロ-ム層で、厚さは5〜6 mでとくに地表部では赤褐色を呈している。飯岡層までは深海底で堆積したが、香取層の頃には古東京湾はしだいに浅海となり陸化した所に関東ローム層の降下火山灰が積もったことになる。 香取層と関東ロ-ム層の境界がはっきりと分からないことが多いが、帯磁率の差によって簡単に識別できることが判明した。また、各地層に含まれる粘土鉱物についてX線回折装置を用いて検討し、興味ある事実を見いだした。
著者
木村 栄宏 粕川 正光 小原 健史 山崎 勝哉
出版者
千葉科学大学
雑誌
千葉科学大学紀要 (ISSN:18823505)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.51-56, 2008-02-29

最近の情報ネットワーク時代の進展を背景に、非公式な組織と個人間の結びつきを元に、大きな社会的流れが生じ、それらが企業再生に結びつき貢献する萌芽が見られている。例えば銚子鉄道における存続が社会的なニュースとなった際には、インターネットにおける公開掲示版や個々人のブログ、あるいはSNS内における議論の活発化により、個々人ができる支援の積み重ねにより、企業側も意図しない大きな動きで資金が集まり、安全更新投資が可能となった。本事例からの示唆として、今後の地方ローカル鉄道は、リアルの乗客に依存するのではなくバーチャルな乗客に依存することで新しい形に再生していくことも望まれること、また、組織の大小を問わず、企業再生には従業員個々人のシャドーワーク、あるいはシャドーワーク的な発想が今後ますます重要になるということの2点をあげることができる。
著者
戸塚 唯氏
出版者
千葉科学大学
雑誌
千葉科学大学紀要 (ISSN:18823505)
巻号頁・発行日
no.7, pp.49-58, 2014-02

本研究の第1の目的は、恋人の性格特性に関する許容範囲について検討することである。第2の目的は、ある性格特性をある水準で持っている個人は同じ特性に関して同じ水準を恋人に望むのかについて検討することである。 調査参加者は日本人大学生212名(男性119名、女性93名)である。彼らに対して特性リストを呈示して、そこに掲載されていた性格特性がどの程度自分に当てはまるかを回答させた。これが現実自己得点である。また、それらの性格特性を恋人にどの程度持っていてほしいか(理想点、上限点、下限点)について回答させた。これが理想得点、上限得点、下限得点である。 分析の結果、許容範囲はほぼ全ての性格特性において男女で差がなかった。一方、特性ごとの許容範囲の広さは異なり、比較的許容範囲が広い特性(例えば「頭の良さ」)や狭い特性(例えば「意志の強さ」)があることが明らかとなった。また、現実自己得点と理想点、上限点、下限点について相関係数を算出したところ、男性データの「言葉づかい」、女性データの「言葉づかい」と「おしゃれ」でのみ中程度以上の相関が見られ、その他の特性については無相関、あるいは弱い相関しか見られなかった。
著者
戸塚 唯氏 伊勢﨑 翼
出版者
千葉科学大学
雑誌
千葉科学大学紀要 = The University Bulletin of Chiba Insitute of Science (ISSN:18823505)
巻号頁・発行日
no.12, pp.139-151, 2019-02-28

江戸時代、銚子は政治・流通・交通の要衝であり、人口も多かった。そのため、多くの寺子屋が設立された。寺子屋とは6歳から12歳頃までの庶民の児童を対象とした当時の教育施設である。本研究の目的は、江戸時代中期から明治初期にかけて銚子地域に存在した寺子屋師匠の数と名前を明らかにすることであった。様々な文献や筆子塚の記載を調査した結果、最終的に107名の寺子屋師匠の存在を明らかにした。また、寺子屋師匠の没年情報を用いて年代別の寺子屋師匠数を算出したところ、銚子では19世紀中旬に多くの寺子屋師匠が存在していたことが明らかとなった。
著者
山田 光男
出版者
千葉科学大学
雑誌
千葉科学大学紀要 = The University Bulletin of Chiba Institute of Science (ISSN:18823505)
巻号頁・発行日
no.8, pp.75-83, 2015-02-28

これまで航空安全のために、警報システムの開発、多重装備、航法機器の精度向上など様々な方策がとられてきたが、近年最も注目を浴びているのは人間の行動そのものに対する方策である。機長の判断ミスが致命的なエラーにつながった2件の事故からCockpit Resource Management (CRM)と呼ばれる乗員の行動様式を改善するための方策が開発され、このCRMにエラーとそのエラーの元となる潜在的危険要素を考慮したThreat and Error Management(TEM)の概念が組み込まれ、一層の安全性を確保する動きへと繋がっていった。この経緯を検証し、TEMの概念は有効な安全対策に成り得るか、また今後の課題は何かについて考察した。
著者
佐々木 啓子 松岡 耕二
出版者
千葉科学大学
雑誌
千葉科学大学紀要 (ISSN:18823505)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.61-67, 2012-02-28

イチョウ葉エキス(EGb761)は、1950年代から薬理研究が始められ、現在では、アルツハイマー病や認知症の治療に利用されている。フラボノイド24%、テルペノイド6%を含有する標準化されたエキスは、めまいや耳鳴り、記憶力減退、不安などの精神神経症状の改善に効果が報告されている。EGb761のこれらの作用には、活性成分と考えられているフラボノイドやテルペノイドの抗酸化作用や神経保護作用が、関係すると考えられている。ここでは、薬理学的根拠とされるフラボノイドやテルペノイドの中枢神経系における生理活性と、近年報告されているEGb761の臨床効果に対する評価について述べる。
著者
戸塚 唯氏
出版者
千葉科学大学
雑誌
千葉科学大学紀要 = The university bulletin of Chiba Institute of Science (ISSN:18823505)
巻号頁・発行日
no.9, pp.35-41, 2016-02

本研究は、Big Five モデルの枠組みを採用し、開放性の性格側面に関して対人魅力に及ぼす類似性の効果を実験的に検討した。分析対象者は129名(男性68名、女性61名)、平均年齢は18.43歳であり、彼らに架空の人物に関する文章(開放性を高くあるいは低く描写した)を読ませ、その後、質問紙に回答させた。独立変数は参加者開放性(高・低)、描写人物開放性(高・低)、描写人物性(男性・女性)であり、従属変数は好ましさ得点、友人希望得点であった。分析の結果、2つの従属変数に関して参加者開放性の主効果やそれに関係する交互作用は見いだされず、開放性の側面における類似が対人魅力を増加させるという効果は確認できなかった。一方、2つの従属変数に関して描写人物開放性の主効果が見いだされ、社会的に望ましい特徴(本研究の場合には開放性が高いという特徴)が対人魅力に影響を与えていることが示唆された。
著者
下野 純平 冨樫 千秋 青木 君恵 菅谷 しづ子
出版者
千葉科学大学
雑誌
千葉科学大学紀要 = The university bulletin of Chiba Institute of Science (ISSN:18823505)
巻号頁・発行日
no.11, pp.143-149, 2018-02

目的:定期試験において一定基準に到達することができなかった看護学部3年生の学生を対象に行った、学習計画立案フォーマットを用いた学習支援の効果を明らかにし、今後の看護学部学生へのよりよい学習支援を検討することを目的とした。方法:本学看護学部3年生に在籍し、学習計画立案フォーマットを用いて学習支援を受けた学生4名に半構成的面接を実施し、逐語録を質的帰納的に分析した。結果:【面倒くささと気にかけてもらえている嬉しさ】【学習計画立案フォーマットを用いた学習支援に助けられたという実感】【目標に向かって計画的に学習に取り組めたという実感】【学習日記を書きたくないという思い】【学生なりの学習計画立案フォーマットの活用方法の発見】【学習継続に向けた学生それぞれの学習計画立案フォーマットの改善点の発見】【学習計画立案フォーマット使用対象者拡大の可能性】の7つのカテゴリーが抽出された。考察:対象者は継続して学習に取り組めていたことから、学習計画立案フォーマットを使用した学習支援は効果があったと考えられた。その一方で、対象を拡大する場合には、対象学生の学力や学習への主体性などを加味し、再度フォーマットを検討する必要がある。
著者
小濱 剛 加瀬 ちひろ 佐藤 那美 鷹野 翔太 山口 太一 山本 俊政
出版者
千葉科学大学
雑誌
千葉科学大学紀要 (ISSN:18823505)
巻号頁・発行日
no.12, pp.79-84, 2019-02

近年、世界的な水産資源の需要増加に伴い、好適環境水等の人工飼育水を用いた閉鎖循環式陸上養殖が注目を浴びている。本研究では、カクレクマノミ及びニホンウナギをそれぞれ対象にして、人工海水と好適環境水における行動特性の相違を検証する事を目的とした。カクレクマノミの行動結果より、水槽内の平均利用場所は、人工海水下では上面および下面利用率が同等だったにもかかわらず、好適環境水下では下面の利用率が大幅に増加した。条件提示直後の平均活動性より、人工海水提示直後に比べ、好適環境水提示直後で境界線の通過回数が半分以下になることから、現行の好適環境水がカクレクマノミに適さないことが示唆された。一方、ニホンウナギにおいては行動を抑制させるような結果は見られなかった。以上の結果から、好適環境水の塩分及び成分比について、飼育魚種毎に明らかにする必要があると推察された。
著者
王 晋民
出版者
千葉科学大学
雑誌
千葉科学大学紀要 (ISSN:18823505)
巻号頁・発行日
no.2, pp.9-17, 2009-02

組織不正によって消費者や社会全体の利益が損なわれ,また最終的に組織自体の弱体化や解体に至る事例が数多く報道されている.組織不正を防ぐことが組織の危機管理において重要な課題となっている.組織不正を防止するために,「内部告発」が有効な手段の一つとして考えられるが,内部告発者が報復などの不利益を受ける可能性がある.2006年4月に「公益通報者保護法」が施行され,内部告発が行われやすくなり,また内部告発に対する態度がよりポジティブになることが考えられる.本研究はこの法律の施行前後で行った有職者の内部告発に関する調査のデータを比較し,内部告発に対する有職者の態度について検討した.その結果,法律施行後,内部告発者を保護する必要性の認識が強くなったことが確認された.
著者
山下 裕司 山崎 舞 鈴木 真綾 萩原 宏美 田上 八郎 平尾 哲二 坂本 一民
出版者
千葉科学大学
雑誌
千葉科学大学紀要 = The University Bulletin of Chiba Institute of Science (ISSN:18823505)
巻号頁・発行日
no.9, pp.67-74, 2016-02-28

古来から天然の薬として服用されてきた有機ゲルマニウムは、角層中のコーニファイドエンベロープ形成や細胞間脂質を構成するセラミド合成促進などの効果が近年見出され、皮膚への有効性が期待されている。昨年、我々は有機ゲルマニウムを配合したクリームを皮膚に塗布した際の角層水分量と経表皮水分蒸散量(TEWL)の変化について調べ、有機ゲルマニウムに角層の保湿性を向上する傾向があることを報告した。本研究では、剤型をクリームから化粧水に変更し、市販の有機ゲルマニウム含有化粧水と含有されない化粧水を用いて角層水分量、TEWL、皮膚粘弾性、および皮膚色の変化から皮膚への塗布効果を調べた。4週間の連用塗布によって、有機ゲルマニウム配合化粧水は未配合化粧水に比べて有意に角層水分量は増加したが、その他の評価項目に関しては著しい差は見られなかった。また、本研究では、この角層水分量の増加に対して表皮中のフィラグリンから産生されるピロリドンカルボン酸量との関係について調べた。化粧水中の有機ゲルマニウムの有無に関係なく皮膚の保湿能に関係するピロリドンカルボン酸量は変化しておらず、有機ゲルマニウム配合化粧水の高い保湿機能が天然保湿成分の量的変化に関与していないことが示唆された。
著者
千葉科学大学
出版者
千葉科学大学
巻号頁・発行日
2008