著者
松嶋 淑恵
出版者
文教大学
雑誌
人間科学研究 (ISSN:03882152)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.185-208, 2013-03-01

性同一性障害概念ができたことにより性別違和をもつ人々に対する性別変更のための医療や制度が成されたが、性同一性障害は身体と異なる性自認をもつ事を疾患としてとらえる消極的な理解であるとともに、典型的な当事者にあてはまらない多様な当事者を不可視化している問題がある。また医学モデルに基づいた解決は、当事者を苦しめる男女二元論やジェンダー規範を揺るがさないまま当事者側だけが変化すべき対象であることを強いている。そこで、多様な当事者を対象に含め、量的調査法による実態調査を行い、特に経済状態の影響、他者との関係性、精神的問題について調査した。 その結果、MtとFt間で男女間および男性間の経済格差が見られ、治療の機会不均等に影響していた。典型的性同一性障害像に比して認知度の低い性自認をもつ人は孤独に陥りやすかった。また、性別移行に関する不安は、身体変容が満たされないことよりも社会関係上で望む役割が果たせないことから生じることが明らかになった。性別違和をもつ人々が社会から排除されずに生きるためには、男女二元論やジェンダー規範、性差別といった非当事者にもかかわる問題に取り組み、社会が変化していくことが必要であると言える。

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