著者
菅原 千鶴子 森谷 [きよし] 木田春代
出版者
天使大学
雑誌
天使大学紀要 (ISSN:13464388)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.79-93, 2013-06-28

生涯にわたる人間形成の基礎を培う時期にある就学前の子どもがうける食育は,保護者の食に対する考え方や,生活意識によって大きな影響を受ける。保護者(特に母親)は子どもの食育に関心を持ちながらも,知識や時間などの問題から充分に取り組めない状況にあり,単回の食育に参加できても,継続した食育に参加する機会は多くない。先行研究において,札幌市居住4〜5歳児の90%以上が通園する幼稚園ならびに保育園と協力をして行った長期継続食育教室は,母親の食意識ならびに母親と子どもの食行動改善に有効であった。本研究では,就学前の子どもに「食を営む力」を育てる効果的な食育に協同で取り組むために,両園の食育の実践状況や地域等との連携状況を明らかにし,子どもと母親に対する継続食育活動を協同で推進・発展させる可能性を追求することを目的に,市内の全幼稚園ならびに保育園対象にアンケート調査を行った。アンケート回収率は幼稚園59%, 保育園57%であった。調査結果から,食育年間計画の作成割合は幼稚園より保育園で高率であったが,両園では諸機会を見つけて食育活動を行っていることが明らかになった。しかし,継続した食育活動はきわめて少なかった。 園と母親,地域が連携をし,園内だけでなく地域資源を活用した継続的な食育活動を行うために重要と考えられる事項について考察した。

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