著者
大中 忠勝
出版者
人間-生活環境系学会
雑誌
人間と生活環境 (ISSN:13407694)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.1-6, 2013-05

本研究の目的は暑がりと自己申告した者の家庭での夏期における温熱環境の実態を調査し、その環境での生理・心理反応を明らかにすることである。被験者の家庭での温熱環境調査が夏期に行われた。被験者は21歳から23歳の若年女性20名であり、自己申告により暑がり10名と非暑がり10名に分けた。被験者の家庭の温度、湿度を2分間隔で1週間にわたり記録した。在宅中は約1時間ごとに身体7部位の皮膚温(前額、胸、前腕、手背、大腿、下腿、足背)を放射温度計により測定した。同時に温冷感、快適感、着衣状況を記録した。室温と温冷感との間に有意な相関関係が認められ、暑がり群の回帰直線の回帰係数(傾き)は、非暑がり群より有意に小さかった(P<0.01)。暑がり群では室温30.2℃で「やや汗をかいている」と申告し、非暑がり群が同じ申告を行った室温より0.5℃、有意に低かった(P<0.05)。室温の希望度において、このままでよい」と申告した時の室温は、暑がり群27.9℃、非暑がり群28.5℃であり、両群間に有意差が認められた(P<0.01)。部屋で着用していた衣服は暑がり群0.27クロ、非暑がり群0.25クロであり、群間に有意差は認められなかった。暑がり群は、暑さに敏感であり、より涼しい温熱環境で快適さを得ており、夏季に薄着である状況下でさえエアコンを使用し、快適な温熱環境を得る傾向があった。

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