著者
藤部 文昭
出版者
日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.60, no.5, pp.371-381, 2013-05-31
参考文献数
25

1909~2011年の人口動態統計資料を使って,暑熱による国内の年間死者数と夏季気温の変動を調べた.暑熱による死者数は,戦前から戦争直後まで年間200~300人程度で推移した後,1980年代にかけて減少したが,記録的猛暑になった1994年を契機にして急増し,戦前を上回る数になった.しかし,暑熱による死亡率は1994年以降も戦争前後も同程度であり,年齢層ごとに見ると戦前から現在まで一貫して高齢者の暑熱死亡率が高いことから,近年の暑熱死者数の増加の一因は人口の高齢化にあることが分かる.また,診断運用上の変化による見かけの増加も死者数の増加に寄与している可能性がある.一方,暑熱による年間の死者数・死亡率と夏季気温(7,8月平均気温)との間には,戦後の減少期と1990年代後半以降を除いて0.7~0.8の相関があり,夏季気温の変動1℃当たり暑熱死亡率は40~60%変化する.

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チェック→ 藤部文昭,2013:暑熱(熱中症)による国内死者数と夏季気温の長期変動.天気 60(5), 371-381 https://t.co/if3bYmpcuj
暑熱(熱中症)による国内死者数と夏季気温の長期変動(藤部 文昭) https://t.co/ll5RE5wyhh 「全体に気温と死者数の年々変動はよく対応」ICDの基準変更があるので単純比較はできませんが。 https://t.co/9WZTHWtZqO

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