- 著者
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芝田 征司
- 出版者
- 人間・環境学会
- 雑誌
- MERA Journal=人間・環境学会誌 (ISSN:1341500X)
- 巻号頁・発行日
- vol.15, no.2, pp.24-28, 2012-12-30
回復環境に関する初期の研究の多くは、自然環境を対象として行われてきた。しかし、回復環境についての代表的理論であるKaplanらの注意回復理論からは、一定の特徴を備えた環境であれば、自然環境でなくとも回復効果が得られることが仮定される。そうした仮定に基づき、近年ではカフェやアクアリウムなど、緑豊かな自然以外の様々な環境に対しても、回復特性の研究が行われるようになっている。これら様々な場所の中で、日常生活において触れる機会が最も多い環境は自宅であろう。自宅は人々にとっての1次テリトリーであり、睡眠や余暇活動など、日常生活のストレス回復にとっても中心的な役割を持つ場所である。自宅が回復環境として機能するか否かは、人々の心理的ウェルビーイングにも大きく影響することが考えられる。そこで本稿では、日常生活における回復環境としての自宅に注目し、自宅が回復環境として認識され、機能するうえで必要な要素について考察した。