著者
芝田 征司
出版者
日本環境心理学会
雑誌
環境心理学研究 (ISSN:21891427)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.38-45, 2013 (Released:2017-01-31)
参考文献数
51
被引用文献数
2

近年,自然環境を対象とした心理学研究が数多く行われるようになってきた。自然を対象とした心理学研究は主に,a)自然風景に対する好みについての研究,b)自然との心理的つながりと,環境保護など関連行動・態度との関係についての研究,c)自然体験による心身面への影響についての研究,の3つに大別することができる。自然風景に対する好みの研究は,自然を対象とした心理学研究の中では比較的古くから行われてきた。これらの研究では,人々の自然風景に対する好みには何らかの生得的基礎があると説明されることが多い。自然との心理的つながりは,ここ数年注目されるようになってきた新しい概念である。自然体験による心身への影響としては,精神疲労の回復やストレス低減といった回復効果が注目を浴びている。本稿では,これら自然を対象とした心理学研究を概観し,この領域における現在の課題や今後の方向性について述べた。
著者
芝田 征司
出版者
人間・環境学会
雑誌
MERA Journal=人間・環境学会誌 (ISSN:1341500X)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.24-28, 2012-12-30

回復環境に関する初期の研究の多くは、自然環境を対象として行われてきた。しかし、回復環境についての代表的理論であるKaplanらの注意回復理論からは、一定の特徴を備えた環境であれば、自然環境でなくとも回復効果が得られることが仮定される。そうした仮定に基づき、近年ではカフェやアクアリウムなど、緑豊かな自然以外の様々な環境に対しても、回復特性の研究が行われるようになっている。これら様々な場所の中で、日常生活において触れる機会が最も多い環境は自宅であろう。自宅は人々にとっての1次テリトリーであり、睡眠や余暇活動など、日常生活のストレス回復にとっても中心的な役割を持つ場所である。自宅が回復環境として機能するか否かは、人々の心理的ウェルビーイングにも大きく影響することが考えられる。そこで本稿では、日常生活における回復環境としての自宅に注目し、自宅が回復環境として認識され、機能するうえで必要な要素について考察した。