著者
長田 恭子 長谷川 雅美
出版者
日本精神保健看護学会
雑誌
日本精神保健看護学会誌 (ISSN:09180621)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.1-11, 2013
参考文献数
18

本研究は,自殺企団後のうつ病者を対象として,自殺に至るまでと自殺企図後の感情および状況を明らかにすることを目的とした.うつ病あるいは双極性障害で自殺未遂が原因で入院となった11名を対象にナラテイヴ・アプローチを活用した非構造化面接を行い,質的帰納的に分析した.その結果,自殺前の感情および状況として【常在する自殺念慮】【強い孤独感】【長年にわたる家族への我慢】【価値のない自分】【生への絶望感】【自殺の衝動】の6カテゴリー,自殺後の感情および状況として【死への執着】【自殺の肯定】【医療者への隠された本音】【抑うつ状態の持続】【家族からの疎外感】【先がみえない不安】【自殺念慮の緩和】【再生への意欲の芽生え】の8カテゴリーが抽出された.参加者は,自殺未遂後も【死への執着】や【自殺の肯定】を抱えており,自殺前からの不変的環境下において,容易に自殺念慮が高まる可能性があることが明らかになった.自殺未遂者に対する多職種による包括的支援の必要性が示唆された.

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CiNii 論文 -  自殺企図後のうつ病者の企図前・後における感情および状況の分析 : ナラティヴ・アプローチによる語りから https://t.co/a2lAMlR59H #CiNii これを読んだんですね

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